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<再生の針路>「関係人口」増加目指す/宮城県七ヶ浜町 寺沢薫町長

ホテルやレストランなどが開業した七ケ浜町花渕浜地区
寺沢薫町長

 未曽有の被害が出た東日本大震災から間もなく7年を迎える。宮城県内の被災自治体では、復興のハード事業がほぼ完了し光が差し始めた所がある一方で、被災規模が大きく予想外の曲折もあって、思うように進んでいない所も出ている。沿岸部市町の首長に、足元の復興の進み具合や新たな課題などについて聞いた。

◎震災7年 被災地の首長に聞く(9)

 −津波で大きな被害を受けた浜の復興状況は。

<心のケアも対応>
 「花渕浜地区に2016年2月、魚介類や水産加工品の販売コーナー、食堂などが入った道の駅がオープンし、17年12月にホテルとレストランが開業した。街の形が見えてきた。同地区と代ケ崎浜地区の土地区画整理事業が残るが、20年度中に完了する見通しだ」
 「災害公営住宅と防災集団移転の住宅地は全て完成した。町社会福祉協議会と連携して生活相談員の訪問事業を実施しており、サロンを開いて被災者の心のケアにも当たっている」

 −海水浴場のある菖蒲田浜地区は背後地が更地のままになっている。
 「津波に襲われた災害危険区域で、町有地と民有地が混在し、虫食いのような状態になっている。特別名勝松島の指定区域でもあり、『これだ』と呼べる利活用策はまだない。人をどう呼び込むか、周辺に立地する複合文化施設の七ケ浜国際村などとリンクさせて考えないといけない」

 −観光面の振興は。
 「菖蒲田海水浴場が昨年夏、本格再開したが、観光客を大幅に増やすのは難しい。そこで、交流人口と定住人口の中間の『関係人口』という考え方に注目している。仙台に住んでいて気が向いた時に出掛けてくれたり、町と関わってくれたり。七ケ浜は仙台の近場にありながら、別空間を目指したい」

 −震災後、住民の高齢化が進んでいる。
 「高齢化率が4割を上回った地区もある。町長就任後に各地区で開いた懇談会で、地区の住民が協力して実施してきた草刈りや高木の刈り込みなどが高齢化に伴ってできなくなりつつあると聞いた。住民の健康づくりが一層重要になる。福祉はこれまでゾーンディフェンスだったが、これからはマンツーマンで考える必要がある。町として何ができるか、役場各課で検討している」

 −産業の振興策は。

<北欧野菜に注力>
 「トリガイ、ホシガレイなど養殖する魚介類の拡大を模索したい。そのための調査研究に着手する。北欧野菜のルバーブの普及にも力を入れる考えだ。町内にある外国人避暑地との関係で地元では長年、栽培を続けている。ブランド化にチャレンジしたい」
 −町は新年度、町制施行60年を迎える。
 「ほかにも国際村が開業25年、健康スポーツセンターのアクアリーナが20年で、まさに節目の年。町の次のステージに向け、明るく、開放的なイメージを出していきたい」(聞き手は塩釜支局・山野公寛)


2018年03月04日日曜日


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