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<この人このまち>人間らしい草野心平 伝える

志賀風夏(しが・ふうか)1994年福島県川内村生まれ。相馬高卒、福島大中退。陶芸家。2017年4月から天山文庫管理人。

 詩人草野心平(1903〜88年)=福島県いわき市出身=の別荘だった福島県川内村の天山文庫。村出身の管理人志賀風夏さん(23)は村民の声を集め、ウェブサイトなどを通じて草野の魅力を伝えようと構想する。「村のかっこいい生き方も合わせて発信したい」と意気込む。(福島総局・高橋一樹)

◎「天山文庫」管理人 志賀風夏さん(23)

 −草野心平や天山文庫の魅力を教えてください。
 「詩人というと堅いイメージですが、実はとてもぶっ飛んだ人間味あふれる人。本人や知人が書いたエッセーには『エビの頭の食べ方』など貧乏だった頃のレシピや、居酒屋で取っ組み合いのけんかをしたことなども記されています」
 「天山文庫も個性的。一見古民家ですが、洋風な心平さんの意向もあり、開放的なガラス戸や中2階があります。お客さんが庭を眺められるよう、かやぶき屋根の一部を切り落としたのもびっくりです」

 −草野を知らなくても楽しめるのですね。
 「私はもともと詩に興味がなく、文庫も単なる文化施設と考えていました。管理人になり、案内できるようにエッセーを読み始めたらとても面白い。逸話や写真を載せるツイッターも作りました」

 −現在、取り組んでいることは。
 「心平さんと会ったことのある村民の話を聞いて回っています。集めたエピソードや村の情報を『むらびと通信』のような形で発信したい。経歴はインターネット検索で出てきますが、村に住んでいるからこそ聞ける話があります」
 「村民も紹介したい。農家でも大工さんでも、命と密接に関わり自分の手で何でもこなす暮らしはかっこいい。都会も好きですが、同じ若い人に『こんな生き方もあるよ』と伝えられたらいいですね」

 −村への愛着を感じます。
 「福島県浪江町出身で陶芸家の父は、川沿いで古民家に住みたいと約30年前、京都から川内村に移ったそうです。川床に置いたテーブルで食事をするなど、自然と親しむ暮らしを満喫している両親につられ、私も村が好きになりました」

 −川内村は東京電力福島第1原発事故で一時全村避難となり、少子高齢化も進んでいます。
 「村ぐるみで子どもたちに川内の文化を伝えるプロジェクトにも参加し、遊びや行事について聞き取りを進めています。村を出た子どもたちも村とつながりを持てるような、息の長い取り組みにしたいです」


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2018年03月05日月曜日


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