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<再生の針路>閖上の定住促進へ尽力/名取市 山田司郎市長

かさ上げされた土地に整備された名取市最大の集合型災害公営住宅「閖上中央第一団地」
山田司郎市長

 未曽有の被害が出た東日本大震災から間もなく7年を迎える。宮城県内の被災自治体では、復興のハード事業がほぼ完了し光が差し始めた所がある一方で、被災規模が大きく予想外の曲折もあって、思うように進んでいない所も出ている。沿岸部市町の首長に、足元の復興の進み具合や新たな課題などについて聞いた。

◎震災7年 被災地の首長に聞く(11)

 −現地再建を進めてきた閖上地区の復興状況は。

<小中一貫校開校>
 「かさ上げは大部分が完了した。被災した閖上小・中は4月に小中一貫校として開校し、水産加工団地は2017年9月に全9社が操業を始めた。災害公営住宅も今年12月に全戸完成して入居が始まる予定で、復興は一定程度、目に見える形になってきている」

 −16年7月の初当選を受け、災害公営住宅を市内陸部にも造ろうとして市議会で否決された。
 「どうしても閖上地区には戻れないという方の声を反映させたかった。混乱させたとは思っていないが、もう少し議会に事前に相談するなど他のアプローチの余地はあったと思う。ハード整備の形で実現することは難しいが、1世帯ごとに寄り添い、ソフト面から住まいの再建を支援する」

 −プレハブ仮設住宅はいつ解消するのか。
 「住まいの再建の目標を18年度中としてきており、最後まで残る二つの仮設住宅団地のうち美田園第1はその時点で解消する。ただ6戸分の換地が遅れる見通しで、換地を受ける方が住む愛島東部については19年度以降にずれ込む」

 −震災前、約5700人が住んでいた活気ある閖上を再生できるのか。

<企業誘致進める>
 「計画人口の2100人を上回る人口が張り付くと期待し、そうなると思っている。定住促進のための補助金制度などをPRし、企業誘致や交流人口拡大などの施策を進めている」

 −商業施設や病院がなければ若い世代が戻りづらいとの指摘もある。
 「商業施設については、名取川堤防沿いの『かわまちてらす閖上』が19年3月に完成する。懸案だった県道塩釜亘理線沿いの大きな商業エリアにも1社から事業提案があり、いい方向に進みそうだ。課題は医療福祉施設。候補地はあるが、誘致に向け具体的なアプローチはできていない」

 −交流人口の増加など、閖上をどうにぎわいのある地区にしていくか。
 「貞山運河で舟運事業を進めており、サイクルスポーツセンターやスポーツエリアなども整備する。漁港では『北限のシラス』の水揚げが始まった。仙台空港という地域資源を生かし、水辺とスポーツ、食を観光面の切り口に、まちづくりをしていきたい。それが名取のブランド力を上げ、市外からヒト、モノ、カネを呼び込むことにつながると考えている」(岩沼支局・桜田賢一)


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2018年03月06日火曜日


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