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<震災7年>災害住宅空き室1640戸 新たな活用法課題

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の被災者向け災害公営住宅の空き室は計1640戸に上ることが、3県のまとめ(2017年12月末現在)で分かった。入居可能な管理開始戸数計2万6886戸の6.1%に当たる。入居者の高齢化に伴い空き室は今後増える見通しで、自治体は新たな活用法など将来に向けた対応を迫られる。
 県別の空き室数は、岩手444戸(空き室率8.8%)宮城560戸(3.7%)福島636戸(9.4%)。市町村営別では石巻市186戸(4.5%)が最多。陸前高田市127戸(21.4%)仙台市115戸(3.6%)気仙沼市71戸(3.4%)と続く。福島県営は460戸(12.8%)、岩手県営は127戸(8.9%)に上る。
 空き室率は計画戸数が100戸以上の市町村別で陸前高田市が最も高かった。次いで岩手県山田町14.8%、福島県新地町14.0%だった。
 復興庁によると、3県では本年度末までに計2万8477戸が整備され、整備率は96%になる見通し。
 災害公営住宅の整備戸数は、自治体が建設前に調査した被災者の意向を基に決定。空き室の発生は、完成まで長い時間がかかり被災者の意向が変化したことが大きな要因になっている。
 気仙沼市は「震災直後に失業し申し込んだが、再就職して自立再建に変えた人もいた」と説明。塩釜市は「最大公約数で造らざるを得なかった」と明かす。
 みなし仮設住宅として都市部の民間賃貸住宅に入居した被災者がそのまま自己負担に切り替えたり、家賃が高いと感じ敬遠したりした被災者もいるという。入居後に福祉施設に入所したり、亡くなったりしたケースも少なくない。
 災害公営住宅に詳しい国立研究開発法人建築研究所の米野史健主任研究員(住宅政策・都市計画)は、整備遅れの原因に(1)用地確保の困難さ(2)面整備事業の遅れ(3)自治体の人員不足(4)工事契約の遅れ−を挙げる。
 米野氏は「膨大な整備戸数と被災者の状況が変わったことを考えれば、この程度の空き室はやむを得ない」と話す。その上で「漁業など地域産業の担い手となる若者や移住者に開放するなど、地域の個別ニーズに合った活用も考えられる」と指摘する。


2018年03月08日木曜日


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