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<強制不妊手術>台帳ない手術 宮城547件 62年以前、施行翌年から実施か

旧優生保護法に基づく宮城県内の手術件数や、関連予算などが記録された1962年以前の公文書

 旧優生保護法(1948〜96年)下で知的障害などを理由に強制不妊・避妊手術が繰り返された問題で、宮城県の優生手術台帳(63〜86年度)がない62年以前に計547件の強制手術が行われたことが7日、県公文書館(仙台市泉区)の資料などで分かった。県内では旧法施行翌年の49年から手術が始まった可能性が高いことも判明した。
 県衛生部(当時)による衛生概況などの文書を河北新報社が調べた結果、旧法に基づく49年以降の強制手術の記録が残っていた。件数は62年まで毎年6〜76人で推移。女性が330人で約6割を占め、男性は182人、性別の記載がないのは35人だった。
 強制手術は「不良な子孫の出生防止」を目的に遺伝性の知的障害や奇形などが確認された場合、都道府県の優生保護審査会に手術の適否を申請。52年の法改正で、遺伝性以外の障害も審査対象に追加された。
 旧法施行後の県議会議案書では、49年4月の定例会に提出・可決された県の手数料条例に「優生保護」の記述があった。「県は優生保護法第13条による人工妊娠中絶を行うことの適否に関する審査を申請する者から手数料を徴収する」と明記し、1件当たりの手数料を300円と定めた。
 49年度の県一般会計決算では、「優生保護審査手数料」名目で約83万400円の収入が確認された。49年6、10月定例会では「優生保護委員会費」としてそれぞれ25万9500円、23万7200円が補正予算に計上され、手術の適否を判断する県の審査会が始まったとみられる。
 優生保護を巡っては、県は台帳が残る63〜81年度に少なくとも859人が強制不妊・避妊手術を受けたと公表している。公文書館には手術申請の理由を記した53年度以降の「優生保護申請書綴(つづり)」が断片的に保存されているが、情報公開の対象になっていない。
 県子育て支援課の担当者は「台帳に記載がある年度以前の手術件数は把握できていない。公文書館の資料を調査・分析し、実態の把握に努めたい」と話す。


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2018年03月08日木曜日


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