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野菜を被災地に届け1000ヵ所超 宮城・栗原の農家菅原さん「思う気持ちに節目ない」

仮設住宅の住民に野菜を配る菅原さん=2018年3月6日、宮城県石巻市小船越

 東日本大震災後、被災地に手作りの野菜を届ける宮城県栗原市高清水の農業菅原正俊さん(76)の訪問先が延べ1000カ所を超えた。震災から間もなく7年を迎える今も、毎月のように沿岸部に通う。菅原さんは「被災地支援というより、震災を機に出会った人たちと交流を続けているだけ。彼らを思う気持ちに節目はない」と話す。
 菅原さんが活動を始めたのは2011年6月ごろ。約60アールの農地で育てた旬の野菜を軽トラックに積み、愛猫と一緒に石巻市、気仙沼市、山元町など主に県内の被災地に足を運んだ。
 活動は全て手弁当で、ガソリン代はアルバイトで捻出している。前日からの収穫や搬入作業は正直、骨が折れる。震災から5年が過ぎたころ、「そろそろ節目かも」と活動終了を検討したことがあった。
 だが、「わざわざ栗原から来てくれてありがとう」という言葉に、「内陸部の人間が沿岸部とつながることに意義がある」と思い直した。
 石巻市の仮設住宅などに大根や長ネギ、白菜を運んだ6日、手帳に記した訪問回数が1000に達した。菅原さんの支援を受けたのを機に、6年以上交流が続く同市雄勝の漁業今野清郎さん(71)は「震災の風化が叫ばれる中、こうして直接会いに来てくれる。その優しさがうれしい」と目を細める。
 最近は災害公営住宅や再建先の住宅に届けることも増えた。作業を手伝う妻さだ子さん(73)は「住まいが決まったなどと報告を受けると元気をもらう。感謝したいのはこっちの方です」とほほ笑む。
 菅原さんは「気付いたらこの件数になっただけ」と照れ笑いしつつ、「7年間でできた縁を大事にし、体の動く限り続けたい」と力を込めた。


2018年03月08日木曜日


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