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沿岸の復興伝え6年半 いわき市広報誌今月末で終刊

勿来地区の行政区長を取材する中山さん(左)=2月15日、いわき市

 東日本大震災で被災した福島県いわき市沿岸部の復興状況や生活情報を伝える市の広報誌「ふるさとだより」が31日発行の3月号で終刊する。地域に密着し、地元の話題や人物を取材してきた「担当記者」は数々の出会いと思い出を胸に、最後の取材となる震災7年の行事に臨む。
 広報誌は2011年6月から発行。A4判8ページで、久之浜・大久、四倉、平、小名浜、勿来の5地区ごとに催しや復興事業の進展状況などを取り上げる。部数は毎月1万部。国の雇用対策事業で採用された5人が取材と編集を担ってきた。
 12年4月から地元の勿来地区を担当する中山明穂さん(26)は地域をこまめに歩くことを心掛け、住民に「担当記者」として知られる存在になった。物おじしない明るい性格。お年寄りには「孫のようだ」とかわいがられた。
 地域は再生が進み、落ち着きを取り戻してきたと感じる。17年10月、岩間町に整備された防災緑地で住民たちが笑顔で植樹する様子を取材。「時間がかかると思っていた事業。感慨深かった」と振り返る。
 吉田靖さん(44)は元雑誌記者の経験を生かそうと応募した。12年に住民らが津波で流されたねぶたを作り直し、夏祭りを復活させる現場に立ち会い、地域のつながりの大切さを実感した。「避難で地区を離れた住民が戻るきっかけになればいいと思って取材していた」と語る。
 市は、土地区画整理事業の宅地引き渡しが年度内でほぼ終わるなど復興事業の進展を踏まえ、広報誌の終刊を決めた。
 中山さんは「それだけ復興が進んだということ。地域の皆さんに自分も成長させてもらった」と前向きに受け止める。17年に市内の別の場所から四倉に移り住んだ吉田さんは「今後は住民として四倉に関わっていきたい」と言う。


2018年03月08日木曜日


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