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<脱埋没への模索 どうする登米・栗原>第3部 まちづくり(1)市議のなり手不足(上)/地元ニーズ伝達困難

登米市議会(下)と栗原市議会(上)の定例会。いずれも昨年の選挙では定数26に対して立候補者は28人で、初選挙時の3分の1ほどに減った

 平成の合併により誕生した登米、栗原両市はいずれも行財政改革は進んだ一方で、歯止めがかからない過疎化を前に、市の将来像が見えにくくなっている。地方自治の担い手である市議のなり手は急減し、移住定住策や街のにぎわい創出に試行錯誤が続く。第3部では「まちづくり」を取材するとともに、両市に根を張った移住者2人に地域発展の可能性や展望を聞いた。(登米支局・本多秀行、若柳支局・横山寛、栗原支局・土屋聡史)=第3部は6回続き

 登米市と栗原市が誕生した2005年の市議選で、登米では92人、栗原で99人が立候補して激戦を繰り広げた。合併による特例で登米の定数は48、栗原は45で競争倍率は2倍前後。名乗りを上げた旧町村の首長や議員らが、新市の将来について舌戦を繰り広げた。
 「あの時は市になったことで『何かが変わる』という希望や期待があった。意気に感じた人、市議として新市の道筋をつけたいと思った人が多かった。立候補したからには負けられない選挙だった」
 栗原市のベテラン市議はこう振り返る。
 それから12年が過ぎた昨年4月の両市議選。いずれも定数26に対して立候補者は共に28人。地方自治の担い手を目指す人はかつての3分の1ほどに激減した。

<70代が7人に>
 高齢化も著しい。昨年当選時の年齢で65歳以上の高齢者は登米12人、栗原15人。とりわけ栗原は70代が7人に上った。旧町村の議員経験者は両市とも18人で約7割を占める。
 「後継者がいないから、辞めたくても辞められない高齢市議もいる。結果的に市議の新陳代謝が進まない」。高齢市議を支持する栗原市の町内会役員は打ち明ける。
 本来、市議は市執行部の活動をチェックするのが仕事で、「市道補修など細かな地域ニーズは行政区長が市当局に伝えてほしい」(登米市議)のだが、実際には地区代表の役割も担わなければならない。
 登米市の旧津山町地区では13年から4年間、地元市議が不在になった。市議選と同時に行われた市長選に唯一の地元市議が急きょ立候補(落選)したからだ。
 登米と栗原市の誕生以来、旧町村出身市議がゼロになったのは津山地区だけ。この間、台風被害など地区の実情が市当局に伝わりにくいと感じた住民もいた。

<学生受け入れ>
 津山地区の有権者は約3000人。市全体の約4%で、地区の票だけだと市議1人を当選させるのが精いっぱい。津山出身の農業佐々木好博さん(54)は、地元同世代の支援を受け昨年の市議選で初当選した。
 「地元の実情やニーズを市当局に伝えることはもちろん、地方政治に関心を寄せる若者を増やしたい」と意気込む。
 登米市議3期目を務める氏家英人さん(53)は15年から毎年、大学生の議員インターンシップ(就業体験)を受け入れている。地方議員を職業の選択肢に入れてもらいたいと考えているからだ。
 「多種多様な人が立候補する市議会になってほしい。いろいろな人が、いろいろな仕事で頑張れるはず。開かれた市議会にしたい」。氏家さんはこう言葉に力を込める。


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2018年03月14日水曜日


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