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<あなたに伝えたい>愛する内孫と家族見守って

両親の思い出を語る今野さん。手作りのポーチ作りが気晴らしだ=仙台市宮城野区田子西

◎今野幸子さん(仙台市宮城野区)から栄蔵さん、つね子さんへ

 幸子さん 父は町内会の役員を約10年務め、近所から厚く信頼されていました。酒もたばこも好きな豪快な人でしたが、65歳で引退するまで、建設会社などで真面目に働きました。
 身長が135センチほどの小柄な母。知的障害のある息子の敏が中学に入るまで、仕事のある私の代わりに母が毎日送り迎えをしてくれました。小さな体で、どんどん成長する敏の手を引いてくれたことに、今でも感謝しています。
 2011年4月、先に母が、その後に父が見つかりました。母の時は右足に激痛、父の時は背中に鈍痛がありましたが、それぞれ警察から連絡があった瞬間に痛みが消えました。「これから頑張れよ」と伝えに来たのかなと感じています。
 あの日は外出先で揺れを感じ、知人の車で避難しました。結果的に両親を助けられず、「私が殺した」と思い詰める日々が約1年続きました。1人で家にいる時、何度も自殺を考えるほど参っていました。
 それでも夫に「大好きな手芸があるじゃないか。忘れろ」と励まされ、母の弟たちから「おまえのせいじゃない」と言われ、気持ちが楽になりました。
 2人がかわいがっていた敏の存在も大きかった。2人の代わりに私がしっかり向き合わなければと、改めて思いました。家族や親戚に支えられ、心から笑えるようになりました。
 お父さん、お母さん、たった一人の内孫の敏は立派に育っていますよ。家族3人元気だから、安心して見守っていてね。

◎信頼の厚かった父と小柄でも力強かった母

 今野栄蔵さん=当時(87)=、つね子さん=同(82)= 夫婦は仙台市宮城野区蒲生の自宅で娘の幸子さん(64)、婿の光一さん(60)、孫の敏さん(37)と5人暮らしだった。栄蔵さんとつね子さんは自宅にいて津波に流されたとみられる。


2018年03月18日日曜日


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