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<サクランボ>鮮度保ち海外へ 山形大が輸送用包装シート開発

底に緩衝シートを敷いた容器(左)と保湿シート(右)を手にする東原准教授

 山形大工学部の東原知哉准教授(高分子化学)らの研究グループはサクランボの輸出拡大を目指し、果実の鮮度保持と損傷防止に効果がある輸送用包装シートを開発した。シートは保湿と緩衝の2種類で、全農山形県本部と行った台湾への試験輸送では、収穫後1週間程度の腐敗が1%前後に抑えられるなど効果を確認できた。

 緩衝シートはシリコーン製で、最も厚い外縁部の厚さが約5ミリ。3Dプリンターで作ったくぼみに1粒ずつ収める。保湿シートは寒天素材の厚さ数ミリのハイドロゲルで、内部に含む水分が果実の乾燥を防ぐ。
 計3回の試験輸送は、容器の底に敷いた保湿シートの上に緩衝シートを重ねて果実を1粒ずつ詰める包装と、保湿シートだけ敷いたバラ詰め包装で行った。
 いずれも腐敗は0.2〜約3%にとどまり、乾燥度合いや光沢など5項目評価の鮮度調査でも高い効果が確認された。開発技術は現在、特許出願中。
 保湿シートの素材をポリマーにした試験も行っており、保水率95%の寒天素材より鮮度保持効果が高かったという。
 サクランボの国内生産量の7割を占める山形県は近年、台湾やマレーシア、タイ、香港などへの輸出を伸ばしているが、年間収穫量約1万5000トンに対し2016年度の輸出量はわずか約1トン。新技術が輸出拡大に活用できるかどうか注目を集めそうだ。
 東原准教授は「鮮度保持の効果は証明できた。原材料のコストカットなど幾つか課題はあるが、ぜひ市場価値のある商品に育てていきたい」と話した。


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2018年03月20日火曜日


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