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<東日本大震災>あの日津波から生還した女児「2人の分も生きる」 陸前高田で笑顔の卒業式

自宅で受け取ったばかりの卒業証書を広げる(左から)誠治さん、春奈さん、和江さん

 東日本大震災で津波にのまれながら助かった陸前高田市米崎小6年の安倍春奈さん(12)が20日、卒業式に臨んだ。一緒に車に乗っていた祖母和子さん=当時(64)=と妹歩(あゆみ)ちゃん=同(2)=は津波で亡くなった。「2人の分も一生懸命生きて、思い出をたくさんつくりたい」。中学での生活に期待を膨らませる。

 入学する中学の制服で式に臨んだ春奈さん。父誠治さん(41)、母和江さん(41)は「助かっただけでもありがたい」と成長を喜んだ。
 当時5歳だった春奈さんは和子さん、歩ちゃんと車で移動中、津波に襲われた。割れた窓から車外に出て懸命に水面へ浮上し、漂うがれきに乗って救助された。和子さんと歩ちゃんは、後に車内から見つかった。
 いつも和子さん、歩ちゃんと3人で手をつないで寝た。和子さんの作る砂糖たっぷりのところてんが大好きだった。
 「自分だけ生きて、何で歩とおばあちゃんは死んじゃったの」。そう問い掛ける春奈さんを「一人じゃないよ」と励ましながら、和江さんは隠れて泣いていた。
 震災から丸1年が過ぎた2012年3月12日、弟健太ちゃん(6)が生まれた。きょうだいげんかをしていたかと思えば、ゲームに興じる2人。春奈さんに笑顔が戻った。
 小学校で一番の思い出は、仙台などへの修学旅行だという。和子さんと歩ちゃんにもお土産を買ってきた。
 入学する高田東中は1年前に新校舎ができたばかりだ。誠治さんは「春奈が思うように生きてほしい」と願う。


2018年03月21日水曜日


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