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<青森港新時代・青函連絡船終航30年>(5完)津軽海峡交流圏 「マグ女」地域観光刺激

JR新函館北斗駅で乗客を出迎えるマグ女メンバーら=2017年3月、北海道北斗市
マグ女が考案した「津軽海峡にぐ・さがな弁当」。新聞に似せた包み紙で活動紹介もしている

 青函連絡船などを通じて深く結び付いてきた青森県と北海道南で、まちおこし活動を実践する女性だけのグループがある。2014年3月に発足した「津軽海峡マグロ女子会」、通称「マグ女(じょ)」だ。

<「オーマの休日」>
 津軽海峡を挟んだ地域の観光資源や文化などに光を当てて体験ツアーを企画し、メンバーが自らもてなす。16、17の両年にはさまざまな体験プログラムを用意し「マグ女のセイカン〓博覧会」を開いた。街歩きの「マグロまみれのオーマの休日」、飲食店を巡る「ほろ酔い散歩」、着物を着て郷土の歌舞伎見物などユニークなものも多い。
 16年には駅弁「津軽海峡にぐ・さがな弁当」を考案。「肉・魚(にく・さかな)」の読み方にあえて方言の濁音を使った。牛肉やニシンなど青森県と道南の食材を用い、新幹線沿線駅などで人気の商品だ。

<メンバー80人超>
 発足当時に十数人だったメンバーは現在80人を超える。昨年は「観光庁長官表彰」を受けた。発起人の一人で青森側とりまとめ役の島康子さん(52)は「マグロのように泳ぎ続け、走り続けてきた」とこれまでの活動を振り返る。
 大間町で生まれた島さんは都内の大学を卒業後、会社員として東京や仙台で過ごし、家業の製材所を継ぐため20年前にUターンした。「何か面白いことをやりたい」と00年に町内の仲間とグループを結成。大間港に到着するフェリーの乗客を、大漁旗を振って歓迎する活動を始めたことなどがマグ女のルーツという。

<企業連携事例も>
 青森県と道南を人口170万の一つの圏域として捉え直す「津軽海峡交流圏」が注目を集める。県は交流圏形成へ民間の活動を後押ししようと、13年に「ラムダ作戦会議」を設立。NPO団体や旅行会社、ホテル、大学など民間主体の26人の委員が具体的な交流事業のアイデアを出す。「マグ女のセイカン博」も作戦会議で提案された事業の一つだ。
 観光だけでなく、ビジネス面でも交流は深まる。青森商工会議所と函館商工会議所は13年から「パートナーシップ構築懇談会」を毎年開催。青森と道南の企業が提携し、これまで菓子や土産物などで15品目の商品が誕生した。
 青森商議所の鈴木匡地域振興部長は「建築などの分野でも提携事例が出てきており、成果が出ている。新しいことは人と人とのつながりから生まれる」と交流圏の意義を強調する。
 「息の長い活動にしたい」。5年目を迎えるマグ女について、島さんは決意を新たにする。(青森総局・佐藤謙一)

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2018年03月24日土曜日


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