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<月山志津温泉>雪深さ 肘折に負けぬ 知名度全国区へ「アメダス設置を」

山形県の委託を受け、朝夕の1日2回実施される積雪深の計測。21日現在、421センチの雪が残る=21日午前

 全国有数の豪雪地、山形県西川町の志津地区にある月山志津温泉の旅館経営者らが、気象庁に地域気象観測システム(アメダス)の積雪計を設けるよう求める要望書の提出を検討している。この冬、何度も「全国最高(最深)積雪」を記録した山形県大蔵村肘折より雪が多いのに、全国ニュースに登場する機会がないからだ。旅館組合は「積雪では肘折に負けない。観測地点になって全国の目を引きつけたい」と意気込む。

 強い寒気の影響で平年を大きく上回る降雪があった山形県内では2月13日、肘折で観測史上最高の積雪445センチを記録。全国のアメダス観測点323カ所の中で最高積雪深となったことから、2月中旬から下旬にかけて毎日のようにテレビの全国ニュースで取り上げられ、肘折温泉の映像が繰り返し放映された。
 しかし、実際の積雪は志津地区の方がずっと深かった。除雪計画の目安にするため、県が1971年から住民に作業を委託している観測データによると、志津の今冬のピークは2月14日の564センチで、肘折の記録を100センチ以上も上回った。過去には800センチ(74年)の記録も残る。
 月山志津温泉旅館組合長の志田昭宏さん(44)は「アメダスのデータだけがニュースになるため、山形県内でも志津の豪雪を知らない人が多い。全国ニュースに頻繁に登場する肘折は、正直うらやましい」と打ち明ける。
 気象庁への要望については「アメダスの積雪計が設置されれば志津の知名度も上がるに違いない。雪をきっかけに志津ファンを獲得する足掛かりにしたい」と語る。
 気象庁観測課の担当者は「警報を発令するに当たって必要なデータを収集するアメダス観測点は、各地域を代表する地点になるよう適切に配置している」と説明。「防災情報に不備がみられれば対応を検討したい」と話す。

[月山志津温泉]志津地区は出羽三山詣での宿場町として400年以上の歴史を持つ。現在、温泉旅館9軒が営業している。月山への登山者や夏スキー客向けに営業する旅館がほとんどだったが、89年に温泉が湧出し、年間を通じて宿泊者が訪れるようになった。毎年2月下旬ごろ、街道沿いに積もった雪を利用し、往事の宿場町風情を再現する雪まつり「雪旅籠(はたご)の灯(あか)り」が開かれている。今年の月山スキー場のオープンは4月8日。


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2018年03月25日日曜日


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