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<学力テスト>低迷する宮城県…その中で全国トップレベルの大河原町の小学生指導法とは?県教委も注目

放課後学習で算数の解き方を教え合う5年生の子どもたち=大河原小

 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で宮城県の成績が低迷する中、大河原町は2017年度の小学校算数A、Bの平均正答率(A85%、B51%)が、全国トップレベルの秋田県(A84%、B50%)を上回った。町独自の学力テストを軸にした学習計画づくりが奏功し、県全体の水準を底上げするモデルとして注目を集める。(報道部・鈴木悠太)

 「時間配分を考えて解答させる意識付けが必要だ」「成績の二極化が進んでいる。習熟度別の授業を取り入れてはどうか」
 大河原小(児童830人)で先月上旬、放課後の教室に5年生4クラスの担任らが集まった。昨年12月の独自テスト結果を分析し、授業で苦手分野をどう改善するか意見を出し合った。
 町は2010年から、町内3小学校で全学年対象のテストを開始。4、12月(1年生は12月のみ)に国語と算数の2科目で実施する。年度当初に子どもの力を把握して学習計画を組み立て、年末に弱い部分の課題を確認するのが狙いだ。
 教科書は2月までに終え、3月は弱点の克服を中心に1年間の復習に充てる。テスト結果を踏まえた問題意識を教員間で共有しながら、全体のレベルアップを図る。学年主任の平間紀子教諭は「検証と授業での実践を徹底している」と学力定着の秘訣(ひけつ)を話す。
 町教委は年3回、学力向上推進委員会を開催。3小学校からも教員が2人ずつ参加し、学校の垣根を越えて対策を話し合う。斎一志教育長は「いかにして学力を上げるか、全校が歩調を合わせながら考えている」と手応えをのぞかせる。
 年2回のテストを通じた学習サイクルが確立した13年ごろから、町の全国学力テストの正答率は右肩上がりに上昇。昨年は全科目で県や仙台市の平均を上回り、都道府県別の順位に当てはめても全教科が4位以内のランクに位置する。
 大河原小の放課後学習では、子どもたちが自主的に学ぼうとする雰囲気も生まれてきた。小テストを解き終えた児童が率先して「分からない人」と呼び掛けると他の子が集まり、教室のあちこちに正解への道筋を教え合う小さな輪ができる。
 本年度で退職する丸山千佳子校長は「互いの教え合いで人の役に立つ喜びを感じ、社会で活躍する力につなげたい」と強調する。県教委の奥山勉義務教育課長は「大河原は学力対策のトップランナー。指定校を設けるなどし、他地域にも波及させたい」と話す。


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2018年03月29日木曜日


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