Bar酔粋駅近

2017.04.13号掲載

酔粋駅近

休日は家族連れも多い。カウンターで会話を楽しんでいたのは、以前の店からの常連さん。「味がいいのはもちろん、気さくな雰囲気がいいんだよね」と話す


ついつい夢を語りたくなる

[地下鉄南北線 河原町駅]鳥゛夢(ドリーム)

まだ厚いコートを手放せない日もあり、少しずつだが、春到来だ。いつもの相方と向かった店は、仙台市地下鉄南北線河原町駅南1出口から出てすぐ、バイク店の隣にある。店名は鳥に濁点、そして夢と書いて「ドリーム」。好物の駄じゃれ…いや、焼き鳥の店である。「おみさん」こと店主の伊藤和臣さん(32)は東京や千葉の焼き鳥店で働いていたが、震災を機に実家のある仙台に戻った。今と同じ河原町にあった焼き鳥店で4年間店長を務めた後、昨夏に独立。かっぽう着姿がまぶしい女将の希美さん(通称のんちゃん)と店を切り盛りしている。
焼き鳥には秋田の比内地鶏や岩手のいわい鶏などを使用。男鹿半島の藻塩や角館の醬油など、調味料にもこだわる。味の良さだけでなく、女将の郷里など縁のある地域のものを使っているそうだ。さてと、うすにごりの日本酒とともに熱々の焼き鳥を頬張った。初めて食べたソリレス(中殿筋)という部位。フランス語で「愚か者は残す」という意味らしいが、確かにこれを食べないのはもったいない。
メニューには料理の説明に加え、「誰それ(名前)のお薦め」とコメントがある。常連客のリクエストや好物が後々定番になったものに本人の名が添えられているのだ。小学生の常連客「あきちゃん」が推す「炙(あぶ)りエイヒレ」を注文。肉厚で柔らかな味わいに酒も進む。うん、うまいね~、あきちゃん。料理の向こうに店を愛する人たちの顔が見えるようだ。
おみさんは「地域に根付き、お客さんと一緒にいい店を作るつもりでやっていきたい」ときりっとしたまなざしで語る。「手を抜かず、ここならではの味わいを作りたい」
店はいつの間にか満席。あちこちから笑い声が響く。カメラマンはノンアルコールの健康飲料のはずが、新しい事業のことなど冗舌に夢を語る。その脇で、ちょっと眠くなった相方…。今夜はここでおしまい。夢の続きはまたのお楽しみってことで。

文/関口幸希子
写真/佐藤英

メニューから

「だし巻き玉子 プレーン」(600円)

比内地鶏の卵4個を使用し、注文から15分ほど掛けて焼き上げる。ぷるぷる、ふわふわの食感にファンが多いという。甘めの味わいの仙北市角館の安藤醸造の醬油はお好みで。チーズや明太子入りもある。この日はほかに、えんがわ(横隔膜)、手羽、皮、炙(あぶ)りエイヒレ、セロリだし醬油漬け、おかみのポテサラなど。飲み物は日本酒、ビワミンジュースなどを頼み、会計は3人で7560円。

鳥゛夢(ドリーム)

  • 若林区河原町1-1-3 プロモ河原町102
    営/17:00~24:00(LO23:00)
    休/月曜(祝日の場合は営業、翌火曜が休み)
    ℡022‐208-2767

仙台市地下鉄南北線 河原町駅 最終電車
泉中央行 23:54(金曜24:06)
富沢行  24:04(金曜24:16)

※価格は商品(1点)の総額 (本体価格+消費税)

女性ライター2人が、仙台市地下鉄沿線を中心に、駅近くのすてきなお店を紹介する連載「酔粋駅近」。
毎月1回掲載予定です。