Bar酔粋駅近

2017.11.16号掲載

酔粋駅近

カウンター席に座るとついつい視線は焼いている手元へ。「お客さんに見られて意識しないようにするのが難しい」と篠山さんは言うが、鮮やかな手さばきはおいしさを一層引き立てている


広島の味と仙台に乾杯

[地下鉄南北線 勾当台公園駅]
粉(こ)結び

お好み焼きやたこ焼きなどのいわゆる “粉もん”。思い出したら無性に食べたくなる逆らえない魅力がある。今夜はそんな粉もんで一杯、といつもの相方と繰り出した。目当ては、鉄板焼きと広島風お好み焼きの店「粉結び」。地下鉄勾当台公園駅を一番町方面に上がってから徒歩3分、目印は大きな黄色いちょうちんとオレンジ色ののぼりだ。

鉄板前の席に陣取り、ハイボールで乾杯した。注文は看板メニューの「粉結び豚玉」。広島風は生地に具材を混ぜ込まないのが特徴で、たっぷりのキャベツや具材、麺が薄い生地の上に積み上げられていく。店主の篠山喜行さん(50)が華麗な手さばきで焼き上げた。ソースの香り、蒸し焼きになったキャベツの甘み、「むちっ」「パリッ」の麺の食感。熱々でハフハフ状態の口に冷えたハイボールをぐいっ。くぅーっ、しみる~。

隣の中国の若者2人は初来店。男性は広島の大学に交換留学をしていたそう。「広島風お好み焼きのある店を探して来ました。めちゃめちゃ懐かしい」と、広島に4年住んでいた篠山さんと地元話で盛り上がっていた。もう1組は常連客で、もともと同じビル内にあるスナックのおなじみ同士。「『地下にお好み焼きの店ができたから行ってみよう』って皆で来てみたら、すごくいいお店だった」「マスターの人柄が味に出てるよね」とべた褒めだ。

篠山さんは脱サラ組。転勤続きの単身赴任生活から一念発起。家族が暮らす仙台で1年前に店を開いた。粉結びという店名には「仙台と広島、食文化は違うけど、粉ものを通じて人と人が結ばれたらいいな」という思いを込めたそうだ。

さてお好み焼きを1人1枚ずつ平らげ、膨れたお腹をさすっていると、出張帰りに立ち寄った別の常連さんが「豚もつ煮と牛すじ煮込みは食べた? アスパラガスの豚巻きも絶品だよ」といろいろ薦めてくれた。でももう入らない。しまった、作戦ミス。次回は一品料理にたどり着くぞ、と心に誓って店を後にした。

文/佐藤陽子
写真/佐藤英

メニューから

「粉結び豚玉」800円

初めての方はまずはこれ、の鉄板メニュー。中に入る麺は広島からの直送で、一味唐辛子が練り込まれたピリ辛バージョンも選べる(50円追加)。2人で1枚ずつ食べて、ハイボールを3杯、和歌山産レモンが入った生搾りレモンハイ1杯。カメラマンがノンアルコールビールを飲んで合計5378円。

粉結び

  • 青葉区国分町2-14-5 88国分町BLD地下1階
    営/18:00~24:00(LO23:00)
    休/日曜、祝日
    ℡022-738-9149

仙台市地下鉄南北線 勾当台公園駅 最終電車
泉中央行 24:02(金曜24:14)
富 沢 行 23:56(金曜24:08)

※価格は商品(1点)の総額 (本体価格+消費税)

女性ライター2人が、仙台市地下鉄沿線を中心に、駅近くのすてきなお店を紹介する連載「酔粋駅近」。
毎月1回掲載予定です。