Bar酔粋駅近

2017.12.14号掲載

酔粋駅近

笑い声が絶えない店内。「生ハム目当てのはずが、店主をはじめ、パートナーの須藤彩妃さん(写真中央)、スタッフの人柄にひかれて通っている」と常連さん。生ハムやサラミはそれぞれ十数種そろう。持ち帰りに立ち寄る客も多い


奥深い味わいかみしめて

[地下鉄東西線 大町西公園駅]
サルメリア・コメスタ

今年ももうすぐ終わり。最後に紹介する店は、仙台市地下鉄東西線大町西公園駅東1出口から3分ほど。昨秋のオープン以来、生ハム専門店として注目を集める「サルメリア・コメスタ」だ。

サルメリアはイタリア語で生ハムやサラミなど加工肉を扱う店のこと。コメスタは「調子はどう?」といったあいさつだ。すでに「いい調子」な皆さんに交じって、カウンターの端で泡のお酒をいただく。目の前のスライサーからは、生ハムやサラミがはらりはらりと花びらのように生まれ出る。切りたては特に香りが立つようだ。いつもの相方を待つ間、鼻をくすぐる匂いに気持ちも弾んだ。

店主の千葉元気さん(32)は、店舗設計会社勤務を経て飲食業へ。自分の店を出す際は町外れに、客と近い距離で会話を交わせる店にしたいと思い描いていた。イタリア旅行で、市場に並ぶ生ハムや店先でワインを傾ける客の楽しげな様子にヒントを得て、東京の生ハム専門店などに足を運ぶなど時間をかけて勉強し、独立。

「専門店をやることに不安はありましたが、加工肉は知るほど奥深くはまりました」と千葉さん。品種や個体差以外にも、赤身の多い内モモは味が濃い、ヒザまわりはねっとりしたうま味がある、など部位によっても違う。その都度食べてみながら切り方も繊細に変えるそうで、「スタッフ一同、なぜか体重が増えちゃって」とのせりふに「そりゃそうでしょ」とカウンター全員でうらやましげに(?)突っ込んだ。

口の中でとろける味わいに「今まで食べていたのは何だったの」とは、仕事が終わって駆け付けた相方の弁。熱々の揚げパンにのせたり、ルッコラで口をさっぱりさせたりしながら盛り合わせを味わい尽くした。

帰り際にふと生ハムが日本酒の燗(かん)と合う話になり、また足を運ぶ楽しみができた。新しい味の発見と、楽しく飲んで食べられることに改めて感謝しつつ、(少し早いが)来年もどうぞよろしく。

文/関口幸希子
写真/佐藤英

メニューから

「生ハム盛り合わせ(3人分)」 2500円

この日は「プロシュット・ディ・パルマ」などの生ハム2種、「ミラノ・サラミ」などのサラミ3種の盛り合わせ。種類は日によって異なる。トルタフリッタ(揚げパン)と合わせて食べるのがお勧め。この日は他に、ピクルス、ブロッコリーとカリフラワーのアンチョビパン粉付け、トリッパのトマト煮込みなど。スパークリング、ワイン、ノンアルコールビールなどを飲み、会計は3人で8660円。

サルメリア・コメスタ

  • 青葉区大町2-11‐13 今泉コーポ旧館1階
    営/10:00~22:00
      ※12月29日㈮・30日㈯は20:00まで、31日㈰はテークアウトのみで18:00まで
    休/火曜、2018年1月1日㈷
    ℡022-796-8726

仙台市地下鉄東西線 大町西公園駅 最終電車
八木山動物公園行 24:02(金曜24:14)
荒井行      23:55(金曜24:07)

※価格は商品(1点)の総額 (本体価格+消費税)

女性ライター2人が、仙台市地下鉄沿線を中心に、駅近くのすてきなお店を紹介する連載「酔粋駅近」。
毎月1回掲載予定です。