Feature特集

古民家の店

2017.11.02号掲載

古民家の店

古民家が改めて見直されている。太い梁(はり)や柱、白壁など伝統的な日本家屋や蔵の造りを生かし、店や宿としてモダンな雰囲気を楽しむ傾向が全国的に広がっている。世代を超えて注目される、古くて新たなくつろぎの空間を訪ねた。(せ)

コンセプトは「くつろぎと、それぞれの時間」。
テーブルの16席とこぢんまりした店内。柱時計が時を刻む

オーナーの梅津さん。10代の頃に漠然と自分の店を開く夢を持った。「30歳を過ぎ、もう遅いと思ったけどたくさんの人に助けられました」 アイス付きのブルーベリーショコラ(600円)とコーヒー(580円)


旧宿場町の町並みにしっくり溶け込む、板張りと白壁の趣ある外観。富谷市富谷新町にある一見普通の家のような「cafe hito no wa」。小さな看板を目印に木枠のガラスの引き戸をカラカラと開ける。靴を脱いで店内へ。

オーナーの梅津英紀さん(41)が「おばあちゃんの家に来たみたいとよく言われます」と笑顔で迎えてくれた。

昨年4月、裁縫学校にも利用されたという築100年ほどの古民家を改装して店を開いた。2階建てのうち1階の2間分のスペースをカフェにした。

格子戸や欄間の醸す雰囲気に合わせて、色使いと質感を選んだモダンな食器。「独学で少しずつ腕を磨いた」というスイーツも評判だ。カフェ好きだけでなく、古民家に関心のある人や建築関係者にも注目される。
現代の建物に比べれば冬は冷えるし、古いだけに掃除もより念入りにしている。「手入れに手間は掛かるけど、ゆっくり丁寧にすれば味わいが増してくるのが楽しみ」と梅津さん。

富谷で生まれ育ち、地元に店を開きたいと思い描いた。以前からすてきなたたずまいが気に入っていた空き家はなかなか持ち主が分からなかった。だが、夢を追ううちに人のつてで知り合えた。店名を「ヒトノワ(人の輪)」としたのは、多くの人のつながりに助けられて夢がかなったから。

「古民家の魅力に負けない、もっと人の輪が広がる何かを考えていきたいですね。変わらなきゃいけないことと、変えちゃいけないことがあるように思うんです」と今後を展望する。

店のある地区は、江戸時代に奥州街道の宿場町として栄えたところ。県内最古の酒蔵や本陣跡の門など見どころはあるが、普段の人通りは少ない。近所の人に「カフェができて行き交う人が増えたね」と言われる。

梅津さんは「町自体に人が集まって来ることにつながればと思います」とほほ笑んだ。

押し入れや仏壇があった場所は、友人のクリエーターらの作品を展示するスペースにした





所/富谷市富谷新町108
営/11:00~17:00(LO16 :30)
休/木・金曜、臨時休あり
問/℡022‐725‐7313
※未就学児は入店不可


※価格は商品(1点)の総額(本体価格+消費税)


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