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2017.06.15号掲載

訪ねてみました
森のようちえん

「小さい頃から豊かな自然に親しんでほしい」。そう願うママやパパに紹介したいのが、全国で広がりを見せている「森のようちえん」です。園舎ではなく、野外で保育や幼児教育を行っています。多賀城市で活動する「森のようちえん 虹の森」の親子クラス「そら組」に同行させてもらいました。


雨上がりの朝、史跡と緑の丘が続く市北部、市川地区の集合場所に親子連れが集まってきました。この日の参加者は1~2歳児の親子3組。いつもより少なめです。

午前10時半。朝のあいさつをして代表の清水冬音さんが絵本の読み聞かせを始めました。絵本の世界に引き込まれ、ざわざわした雰囲気が落ち着きます。

「今日は加瀬沼までお散歩しようか」。清水さんの提案で、ヨチヨチ歩きとハイハイの一団が、森の小道を歩き始めました。

虫を見つけワクワク

草むらのテントウムシや木の枝からぶら下がるイモムシを見つけては立ち止まり、不思議そうに見つめます。明け方まで降った雨でできた水たまりに長靴で入ってピチャピチャ泥はね遊びをしたり、大きな石碑の周りでかくれんぼを始めたり。森の中で出合う面白いものにみんな、夢中。目を輝かせています。

1時間ほどかけてゆっくり歩き、目的地の加瀬沼に到着。お弁当を食べてすぐ、水辺で石投げを始める子もいれば、すやすやお昼寝する子も。

しばらく休んだら来た道を戻ります。疲れて抱っこをせがんでも、かくれんぼをした石碑の所まで来ると、また元気全開! 出発点に戻り終わりの会で清水さんのウクレレ演奏に合わせて歌い、絵本を読んでもらったら解散です。

4月から通い出した松永丈太郎くん(2)の母、梓さん(青葉区)は、「この子がこんなに歩けると知り、驚きました。年齢の異なるお友だちと交流できるのもいいですね」と言います。

子どもを見守り待つ

「自分で考えて行動できる時間を持つことで、子どもたちは自身の力をぐんぐん伸ばしていきます」と清水さん。森のようちえんでは、待つことと見守ることを大切にしているといいます。

参加者にはマンション暮らしの人も多いそう。森の中では大声を出しても、走り回っても近所に迷惑を掛けると気にする必要がなく、友達と取り合うおもちゃもありません。ママにとっても、ストレスの少ない環境なのかもしれませんね。

 


 森のようちえんとは 

未就学児を対象に、森や里山、都市公園など自然体験のできる場所で保育や幼児教育をする活動。自主保育や認可外保育施設・NPOによる活動、自治体の認証団体などが運営している。1950年代のデンマークが発祥といわれ、日本では2000年代初めごろから広がった。
栗原市の「くりこま高原自然学校」代表の佐々木豊志さんの呼び掛けで05年に初の全国交流フォーラムが開かれ、08年に「森のようちえん全国ネットワーク」が設立。今年4月にNPO法人化した。現在、全国に200近い登録団体がある。
 全国ネットワーク連盟副理事長も務める佐々木さんは「自然の中で五感を使って自分のやりたいことに取り組む中で、子どもの感性や判断力、行動力が育まれることを目指している」と話す。