Kidsキッズ

2017.09.14号掲載

子育てこの10年

「河北ウイークリーせんだい」500号発行を記念し、編集部キッズチームは、第1号を発行した2007年から17年までの子育て事情について座談会を開きました。赤ちゃんの世話に追われるママ3人と、わが子を抱っこした日々がちょっぴり懐かしいライター(あ)が、子育て談議に花を咲かせました。


 座 談 会 

抱っこひも、離乳食…
グッズが進化

― 7年ぶりに赤ちゃんを育て、Yさんはどんな変化を感じていますか。

 抱っこひもが一番進化したかも。長女のときは1枚布で抱く「スリング」が大流行していたけど、今は新生児から縦抱きできるタイプが主流。両手が空くから病院の会計時もすごく便利。今どきの抱っこひもは腰で支える構造だから、肩がとても楽です。

 私は最初の2カ月は何となく不安で横抱き専用を使い、今はE社製を使っています。

 E社は人気だけど結構、高価だから別メーカーのを買いました。

 「おんぶもっこ」という熊本の伝統的なおんぶひもも使っています。2016年の熊本地震をきっかけに、全国的に注目されました。長方形の布にひもが付いていて、小さく丸められる。授乳ケープとしても使えるので外出時の必需品。家事のときや、泣きやまないときにヒョイっておんぶすると寝てくれますよ。

― ほんとだ! もう寝ちゃってる。気持ちいいんですね。離乳食やミルクも変わりましたか?

 フリーズドライの離乳食がぐっと充実したかな。おかゆに混ぜるタイプをよく使います。以前は手作りしないと多少、後ろめたさがあったけど(笑)、今は気軽に、上手に市販品を使う人が増えた気がします。フリーズドライのアイスクリームまであるんですよ。

 キューブ型の粉ミルクは便利! 計りやすいし、20㍉㍑分から作れます。昔はお風呂上がりに湯冷ましや果汁を飲ませたって聞くけど、今は「母乳かミルクでいい」といわれてます。

― え、湯冷まし作らないの? 昔のあの手間は何だったんだろう。

 「屋内ではなるべく靴下を履かせない」など、親世代との育児の常識に違いがありますね。


育休期間延びる
「保活」は厳しく



― 育児情報はどこから得ますか。

 長女のときは専ら育児雑誌でしたが、今はすっかりスマホです。

 パソコンを立ち上げなくても、片手で検索できるから楽。発熱や発疹、歯が生えてこないなど、体調や健康について調べることが多いかな。小児科もスマホで予約できるところが多いですよ。

― それは便利。子育てと仕事を両立できるよう、職場の環境は変わってきていますか。

 10年ぐらい前までうちの会社は「出産するから休みます」と言い出しにくかったと思います。でも、今は最長3年間の育休が認められ、周囲の理解も広がった。職場復帰して仕事を続ける人が増えました。

 うちの社の育休は2年間。数年前までは1歳の誕生日までに保育所を見つけて職場復帰しなければならず、先輩たちは大変だったそうです。

― パパは協力的ですか。

 はい! 育休も取りました。

一同
 おお~(どよめく)。

 自分の周りでもこの7年で、パパたちがすごく積極的になった気がする。子ども会のおみこしも今年はパパの担ぎ手が激増しました。

 産科のパパ向け講習会やベビーグッズ店の抱っこひも体験会とか、パパが学ぶ機会も多いですよ。

― 保育所に子どもを預けるための「保活」はどんな状況ですか。

 仙台市は待機児童が多く、厳しい。上の子は3歳まで対象の小規模保育園しか入れませんでした。泉区の友人は第24希望まで市に申請して、10番目の家から遠い園に預けています。うちもこの秋にまた、上の子と下の子の入所申請をしますが、別々の園に入ることになるかも…。

一同
 新市長に待機児童解消を期待したいですね。


 子育て支援者に聞く 
仙台市で長年、子育て支援に携わり、ママとパパに寄り添ってきた2人に、子育てを巡るこの10年の意識や環境の変化について聞きました。

ママの活躍増える

10年前は子育て支援が今ほど一般的ではありませんでした。市の子育てふれあいプラザ「のびすく仙台」(青葉区)で未就学児の一時預かりをしていましたが、お母さんは仕事でもないのに子どもを預けることや、自分のためだけにお金や時間を使うことに抵抗感や引け目を感じていました。
1館だけだった「のびすく」が10月に5館目ができるなど、子育て支援体制が整うにつれ、「お母さんを支える」という考え方も広がり、母親向けのスキルアップや趣味の講座も各所で開かれるようになりました。子どもの一時預かりも当たり前になり、「社会で力を発揮したい」「夢を実現したい」と考える母親が多くなったし、活躍の場や選択肢もぐっと増えたと思います。これからますます、やりたいことを実現しやすくなるはず。どんどんチャレンジしてほしいですね。
一方で、子育ての悩みや心配事はあまり変わっていません。夜泣き、おむつ外し、幼稚園選び…。育児グッズや情報量が格段に増えて便利になっても、基本的な悩みは同じ。育児に特効薬はないのでしょうね。大事なのは、わが子をよく見つめること。それに尽きると思います。

パパの意識変わる

10年前というと、パパたちが少しずつスーツで抱っこひもを使ったり、ベビーカーを押したりするようになってきた頃。2009年にできた「のびすく泉中央」にも、パパとママで子どもを連れてくる家族が増えてきました。
ただ、まだ子育てを「手伝う」という意識で、主体性はあまりなかったですね。意識が急激に変化したのはここ5年ほど。「妻の手助け」ではなく、「子育ては2人で」という考えになってきました。
パパと子どもだけで来館するケースも増え、「夜泣きにどう対応すればいいか」「離乳食作りを教えて」といった、以前はなかった相談も受けます。「ママに言いたいこと」をこっそり聞くと、ほとんどのパパが愚痴ではなく、一番に「感謝」を口にするのもここ最近の傾向。すごい変化です!
ただ、男性の職場環境はまだ、育児への理解が進んでいないのが現状。そんな中で、10年前は休日は趣味かごろ寝だったパパが、休日に育児を頑張っているのだと思います。パパもストレスがたまっていませんか?今後の10年、パパのワークライフバランスが進み、職場や社会の理解が広がっていくことを期待しています。


第1号からキッズ担当
ライター(あ)が振り返る第1号からキッズ担当


子育て中に企画売り込み
ママの経験記事に生かす


ライター業の始まりはウイークリーの「キッズ」でした。
13年前、子どもは5歳と3歳。県外から引っ越してきたばかりで知人も預け先もなかったけれど、仕事はしたい。安直ながら思いついたのが、半分は自宅で働けそうな気がしたライターという仕事でした。
地域を知るには「まず、地元新聞社だ」「あわよくば仕事も」…と、ヨコシマな気持ちでウイークリー読者モニターの「サポートスタッフ」になり、編集者と顔見知りになったのをいいことに、ほとんど経験もないのにキッズ面の企画を大量に書き連ね「仕事させてくださいッ‼」と突撃。今思えば何と無謀な…。恥ずかしい。

「やってみれば?」と、果てしなく深い懐で受け入れてくださった、当時のYデスクには感謝しきれません。
2度断られつつ粘って実現した取材や、「産後うつ」の取材中に涙が止まらなくなったこと、憧れの谷川俊太郎さんに単独インタビューできた奇跡…。キッズ面の仕事には思い出がいっぱいです。

出産後、一人だけ社会から取り残されたようないら立ちと焦りを抱えていた私。でも、「回り道に思えたこともすべて糧だった」と今は分かります。
キッズ面には、あの頃の私みたいに悶々(もんもん)としているママへ届けたい思いも、載せてきました。これからもハッピーな紙面を作っていきたいな。(あ)