Yamagata旬観やまがた

2017.04.20号掲載


山形に、待ちに待った春到来。長く厳しい冬を越えた分、春の恵みは輝きを増す。残雪をバックに一斉に咲き誇る花、知的好奇心を刺激するイベントなど、この時期の山形は魅力がいっぱいだ。さぁ、今度の休みはどこへ行こう。


野生種ならでは 伸びやかな美しさ
西蔵王の大山桜

この春、花見ができなかったという人もご安心あれ。山形市の西蔵王放牧場に自生する「大山桜」群は、市内で最も遅い時期まで花を咲かせる。標高600㍍を超える高地にある乳用牛の牧場は花見の名所としても知られ、例年ゴールデンウイークごろに見頃を迎える。

大山桜は平安時代から一帯に自生しているといわれ、花を愛した歌人・西行法師も名句を残した。現在も樹齢100年を超える大木が群生する。野生種ならではの伸びやかな枝ぶりと、濃いピンクの大きな花が魅力で、どっしりとした立ち姿は勇ましい。

周囲の芽吹き始めた新緑や、背後にそびえる瀧山(りゅうざん)の残雪とのコントラストが美しく、カメラ愛好家にも人気のスポットだ。眼下に広がる山形市街地や、遠く望む月山や朝日連峰の絶景も楽しもう。牧場内は、牧道(舗装)からのみ観賞できる。

車で5分の「西蔵王公園」は、大型遊具やアスレチック、芝生広場、バーベキューコーナーもある広大な自然公園。思いっきり体を動かして遊ぶにも、のんびりお弁当や昼寝を楽しむにもお薦めのスポットだ。

残雪とのコントラストが美しい大山桜

伸びやかに咲く姿が魅力的だ

■山形市観光物産課
 問/℡023-641-1212


戦国時代の激戦 川中島の戦い再現
米沢上杉まつり

戦国時代最大の激戦といわれる「川中島の戦い」を迫力たっぷりに再現することで知られる「米沢上杉まつり」。米沢藩上杉家の家祖・上杉謙信を祭る上杉神社と、名君・上杉景勝、鷹山らを合祀(ごうし)する松岬神社の例大祭を皮切りに、今年も4月29日㈷~5月3日㈷に開かれる。

開幕日の4月29日は謙信の命日。この日から、上杉・松岬両神社を中心に、民謡奉納や献華祭、献茶祭、上杉軍の出陣儀式である荘厳な「武てい式」などが行われ、市内は祭り一色に染まっていく。クライマックスは5月3日。午前中は、みこし渡御と甲冑(かっちゅう)行列が市街地を練り歩く、千人超の大パレードが見ものだ。一行はそのまま松川の河川敷へ移動し、上杉謙信と武田信玄の軍が繰り広げた死闘「川中島合戦」を再現。甲冑を身に付けた武将の激突や、鳴り響く空砲の音、立ち上る煙など、臨場感あふれる演出は目が離せず、歴史好きでなくても一見の価値がある。

米沢市上杉博物館では、4月29日㈷~6月18日㈰に「戦国時代展」を開催する。15世紀半ばから約100年続いた戦国時代は、武将たちによる激しい戦いの一方で、卓越した文化が生まれ地方に波及していった。当時の文化レベルの高さを示す芸術作品や、各戦国大名ゆかりの刀剣、甲冑などを一堂に集めて展示。乱世を懸命に生きた人々の思いに触れてみては。

上杉謙信と武田信玄の一騎打ちを見事に再現

米沢市上杉博物館

■米沢上杉まつり
 日程/4月29日㈷~5月3日㈷
 会場/米沢市内
 問/実行委員会 ℡0238-22-9607(米沢観光コンベンション協会内)
■米沢市上杉博物館
 所/米沢市丸の内1-2-1
 営/9:00~17:00(入館は16:30まで)
 休/第4水曜(4月26日は開館)
 入館料/一般410円、高・大学生200円、小中学生100円
    (特別展「戦国時代展」開催中は一般620円、高・大学生400円、小中生250円)
 問/℡0238-26-8001


春の訪れ告げる カドの丸焼き満喫
最上公園カド焼きまつり

新庄の春は「カド焼きまつり」で幕を開ける。カドとはニシンのことで、春の産卵期に北方の海に現れることから「春告魚」とも呼ばれる。

物流や冷凍技術が未熟だった時代、豪雪地帯の新庄では冬に鮮魚を入手するのは困難だった。雪解けとともに日本海から生のカドが運ばれてくると、町の衆が集まって丸焼きにし、春の到来を祝う宴を開いたという。現在は市民の祭りとして定着し、毎年遠方から訪れる人も多い。1尾400㌘もある大ぶりなカドがずらりと並び、炭火でじっくり焼き上げられる光景は圧巻だ。香ばしい香りとともに、脂が乗った旬の味を堪能しよう。歌謡ショーなどのステージイベントも期間中毎日開催する。

会場は、新庄藩初代藩主・戸沢政盛が築いた新庄城址に作られた最上公園。桜の名所としても知られ、例年、カド焼き祭り前後に見ごろを迎える。特に、堀を囲むように植えられた桜が水面に散りゆく風景は、見事な美しさだ。

大勢の人が訪れるカド焼きまつり

最上公園の桜も満喫しよう

■カド焼きまつり
 日時/4月29日㈷~5月5日㈷ 11:00~16:00
 会場/最上公園内「特設会場」
 料金/前売り2000円、当日2300円
    ※カド1尾、花見だんご、お茶、山菜付き
 問/新庄観光協会 ℡0233-22-2340


日本の技術の結晶 刀の魅力に迫る
致道博物館 日本名刀展

近ごろ話題の「刀剣女子」ならずとも必見。貴重な日本刀がずらりと並ぶ企画展「日本名刀展 第1部」が、鶴岡市の致道博物館で開催される。

4月29日㈷から6月8日㈭の期間中、重要文化財 短刀 銘 吉光(名物 信濃藤四郎)など、平安後期から江戸末期までの代表的な刀工による刀剣約40振を展示。世界でも評価の高い日本の技術の結晶を間近に見ることができる。美しく反った姿や、焼き入れの際にできる個性的な「刃文」をじっくり鑑賞しよう。

めったに見られない銘吉光の短刀「号 五虎退」「名物 乱藤四郎」の期間限定展示や専門家による特別講演もある。人気オンラインゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」とのコラボ企画など、見逃せないイベントもめじろ押し。詳細はホームページでチェックを。

致道博物館は、庄内藩主酒井家の御用屋敷だったものを博物館として公開したもの。敷地内には旧西田川郡役所など歴史的建築物が多く移築されている。名勝 酒井氏庭園などをぶらり散策するだけでも楽しい。

致道博物館

重要文化財 短刀 銘 吉光(名物 信濃藤四郎)
致道博物館蔵

刀 銘 以南蛮鉄於駿州越前康継 致道博物館蔵

■致道博物館
 所/鶴岡市家中新町10-18
 開館時間/9:00~17:00(4月29日㈷~5月7日㈰は18:00まで。
      5月27日㈯・28日㈰、6月3日㈯・4日㈰は20:00まで)
 休/無休
 入館料/一般700円、高・大学生380円、小中生280円(5月13日㈯・14日㈰は小中生無料)
 問/℡0235-22-1199