Yamagata旬観やまがた

2017.06.22号掲載

青空を背景に鮮やかな花を咲かせる


山形県の花として愛される紅花。7月に入ると、産地では濃い黄色の花が一面に咲き誇る美しい風景が楽しめる。

山形で紅花栽培が盛んになったのは15世紀の半ば。気候に恵まれた最上川流域は、江戸時代初期には質・量とも日本一の産地として知られた。摘み取った紅花は、高度な技術で色素を抽出、加工され、最上川から日本海を北前船で渡って上方へ運ばれた。高貴であでやかな紅の色は都で大いにもてはやされ、紅花交易は地元に富と上方文化をもたらした。

近年は、天然染料ならではの美しさに加え、その特性から化粧品や食品、雑貨への活用も注目されている。7月上旬から中旬、山形市や河北町、天童市、白鷹町などで開かれる「紅花まつり」でその魅力を堪能しよう。情報満載のガイドブック「紅花MAP」は、宮城県内では一部の道の駅や高速道路のSA・PA、仙台圏にある山形銀行、荘内銀行、きらやか銀行の各支店で入手できる。

紅花染め体験情報や、紅花の歴史について書かれた「山形紅花MAP」



紅花をとことん楽しみたいなら、山形市で7月17日㈷まで開催中の「べに街道キャンペーン」を訪ねてみよう。ぶらり街歩きを楽しみながら、紅花を使った体験やグルメ、ショッピングなどで、紅花の魅力を発見できる。



産地ならでは 多彩なメニュー
食で楽しむ紅花

山形では古くからなじみの食材でもあった紅花。鮮やかな花弁の色や、古来女性の体調を整える漢方として利用された薬効を生かし、さまざまな料理に用いられてきた。最近では、抗酸化作用や生活習慣病予防に関する研究が進み、「美容と健康にいい」と注目が集まっている。食材としての活用もバラエティー豊かになってきた。

普段お目にかかれない、産地ならではの紅花料理を、和・洋・中・スイーツと多彩に味わえるのが、「食で楽しむ紅花」だ。期間中、キャンペーン参加施設で、紅花にちなんだ特別メニューを味わえる。

山形グランドホテル「ラ・セーヌ」は、「『紅輝卵』の親子丼」(1300円)を提供する。紅花を食べてのびのび育った鶏の卵「紅輝卵」は、こくとうま味がたっぷり。おいしいだけでなく、目に楽しく体も喜ぶ紅花グルメ、食べ歩きを楽しんでみては。

■食で楽しむ紅花
 期間/7月17日㈷まで
 会場/山形市ホテル協会加盟ホテル他キャンペーン参加施設
 問/山形グランドホテル ℡023-641-2611


山形市がモデル 映画の世界に浸る
パネル展

濃い黄色の花弁から、ほんのわずかに抽出されるあでやかな紅の色素。貴重な一滴一滴を大切に、伝統の技で染め上げる紅花染めは、独特の優しい風合いが特長だ。キャンペーン期間中に開かれる紅花関連イベントでは、紅花コサージュ作りやキャンドルホルダー作りなどの体験ができる。

「紅の蔵・街なか情報館」では、「紅花と『おもひでぽろぽろ』パネル展」を開催。山形市高瀬地区がモデルとなった、スタジオジブリのアニメ映画「おもひでぽろぽろ」のパネルや、紅花染めの着物を展示する。入場無料。かわいらしい紅花グッズを販売するショップも併設する。

■紅花と「おもひでぽろぽろ」パネル展
 日時/7月17日㈷までの10:00~18:00
 会場・問/紅の蔵・街なか情報館
      (山形市十日町2-1-8)℡023-679-5101

紅花を食べて育った鶏の卵を使った、山形グランドホテルの親子丼 温かい光をともす
紅花キャンドルホルダー
紅花を使ったコサージュ作りも体験パネル展の会場の紅の蔵。あでやかな紅花が敷地内を彩る

国内の紅花生産量のうちシェア7割を誇る、紅花生産量日本一の町・白鷹町。普段は静かな山あいの町だが、夏の到来とともに町のあちこちが紅色に染まる。「日本の紅(あか)をつくる町」をキャッチフレーズに、今年も多彩なイベントを開催。紅花を見て、触れて、魅力を味わおう。


アートと融合 紅ランチもお薦め
紅花colors

紅花に親しんでもらうイベント「紅花colors」を、7月2日㈰~30日㈰に開催する。

イベント初日には、鷹野湯温泉の「パレス松風」で、白鷹産紅花をふんだんに使った「紅ランチ」の発表会があり、会場では「やまがた舞子」による踊りも披露される。参加者の中から抽選で50名に紅花の切り花をプレゼントする。「紅ランチ」(2000円、2日前までに要予約)は、7月1日㈯~31日㈪、「パレス松風」と道の駅「白鷹ヤナ公園内あゆ茶屋」で味わえる。

16日㈰・17日㈷には、紅花染めでオリジナルのストールやハンカチ作りを体験できるワークショップを開催。23日㈰には深山地区に伝わる手すき和紙「深山和紙」と紅花の色素を使い、参加者みんなで一つの作品(あんどん)を作り上げるワークショップも行う。大人も子どもも一緒に楽しもう。23日には本紅点(さ)し体験もできる。いずれも会場は、白鷹町文化交流センター「あゆーむ」。

荒砥駅前交流施設では、白鷹産の絹糸・天蚕糸を使用し、最上紅花の染料で染め、織り上げた紅花先染め振り袖「万葉からの誘(いざない)」を展示する他、「最上川の川底から発見された財宝秘話」として紅花舟運にまつわる資料などを展示し、紅花の魅力を紹介する。

■紅花colors
 日時/7月2日㈰~30日㈰ 9:00~16:00
 会場/荒砥駅前交流施設
    (白鷹町大字荒砥甲1296-1)
    白鷹町文化交流センター「あゆーむ」
    (白鷹町大字鮎貝7331)
 料金/入場無料
 問/白鷹町観光協会 ℡0238-86-0086


グルメや体験など さまざまな催し
白鷹紅花まつり

白鷹に夏を告げる紅花。夏至から11日目にあたる「半夏生(はんげしょう)」(今年は7月2日㈰)の早朝に最初の一輪が咲き、これを合図に翌日から一斉に花開くといわれる。

白鷹の紅花を多彩に楽しめる「第23回白鷹紅花まつり」は、7月8日㈯・9日㈰に滝野交流館などを会場に開催する。貴重な紅花染め着物の展示や、紅花摘み、紅花染め、紅花娘の衣装を着る「紅花娘体験」、紅花を使ったフラワーアレンジメントのワークショップなど催しが盛りだくさん。

まつりの各会場では紅花の切り花や地元の新鮮な農産物などが販売される他、メイン会場となる滝野交流館ではアユの塩焼きや地元の蕎麦打ち名人による手打ちそばも味わえる。

■第23回白鷹紅花まつり
 日時/7月8日㈯~9日㈰
    10:00~16:00
 会場/滝野交流館・萩野大日堂・十王八卦地区ほか
 問/白鷹町観光協会
   ℡0238-86-0086

最上川で発見された小判紅花先染め振り袖「万葉からの誘(いざない)」
紅花をふんだんに使った「紅ランチ」(イメージ)
紅花畑で「紅花娘体験」