カンヌ国際映画祭報告2008

4.監督週間40周年

2008/5/19

 18日(日)の午後、監督週間の誕生40年を祝う催しがクロワゼット・シアターで行われました。ちなみに、クロワゼット・シアターとは旧ノガ・ヒルトンのことで、ホテルが売り払われた結果、名称が変わりました。

 実は監督週間の誕生は68年の映画祭中止事件と大きなかかわりを持っています。68年の映画祭直前、パリのシネマテーク館長アンリ・ラングロワが解任されそうになり、トリュフォー、ゴダール、シャブロルら大勢の映画人が反対運動を起こしたことが映画祭の中止へとつながっていきます。そして、映画産業に対する無力感を感じたロベール・ブレッソン、ジャック・リヴェットら映画作家たちが、68年6月にSRF(映画監督協会)を結成、カンヌでの監督週間誕生となるわけです。この記念の年を祝うため、監督週間は元ディレクターで映画監督でもあるオリヴィエ・ジャアンにドキュメンタリーの製作を依頼。完成された「40×15」がこの日上映されたわけですが、上映前に、設立から今までの歴代のディレクターたちや、監督週間で作品が紹介された錚錚たる監督たちが舞台に並び、40回目の誕生日を祝いました。写真は右から、誕生から30周年までディレクターを務め、監督週間を今ある形にした功労者のピエール=アンリ・ドロー、一人おいて、現ディレクターのオリヴィエ・ペール、元ディレクターで「40×15」を監督したオリヴィエ・ジャアンです。ちなみに、40は40周年ですが、15は2週間のことで、フランス語を直訳すれば監督週間は“監督たちの2週間”という意味です。

筆者紹介

齋藤敦子さん  映画評論家。パリで映画編集を学んだ。フランス映画社宣伝部から90年にフリーとなる。G・ノエ、グリーナウェイの諸作品を字幕翻訳。  最新作は「麦の穂をゆらす風」。「ピアノ・レッスン」(新潮文庫)「奇跡の海」(幻冬舎文庫)「パリ快楽都市の誘惑」(清流出版)などの翻訳書も。