デスク日誌

第1原発視察

 廃炉作業が続く東京電力福島第1原発。自治体トップが未曽有の事故を起こした現場を見ることは、マイナスにならないはずだ。
 昨年11月から12月にかけ、福島県を除く46都道府県知事を対象に、福島視察などに関するアンケートを実施した。今月4日の朝刊1面で紹介した通り、県内視察の経験者は6割を超える29人に上ったが、第1原発に足を運んだことのあるのは新潟、埼玉、三重など8県の知事にとどまった。
 東北の知事で第1原発の視察経験者は、原子力施設を抱える青森、宮城も含めてゼロ。富岡町や飯舘村など避難指示が出た区域の訪問も全くなかった。
 「津波被害を受けた地元の対応で精いっぱい」「復興や廃炉作業の迷惑になる」などと考えたのかどうか。詳しく尋ねなかったため理由は定かではないが、今からでも遅くない。
 廃炉作業が進展する一方、汚染水処理では除去できない放射性物質トリチウムを含む処理水はたまり続けている。困難を極める溶融燃料の取り出しも含め、全て原発事故の現実だ。事故の教訓を全国で共有するためにも、ぜひ、足を運ぶ機会をつくってほしい。
(福島総局長 安野賢吾)


2018年01月21日日曜日


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