デスク日誌

段ボール愛

 段ボール箱は、外側の意匠や文字によって運搬の用途や中身を推測できる。色使いなどに国柄が表れ、日本ではゆるキャラ風のかわいらしいデザインが多いという。
 多様な意匠に魅了され、捨てられた箱を拾って財布として再生させる芸術家がいる。神奈川県出身の島津冬樹さん(31)。活動に密着した記録映画「旅するダンボール」が昨年12月、全国公開された。
 設計図に基づいて箱を切り、丁寧に折り畳んで細長い札入れにする。お札や小銭、カードを収納するスペースまであり、凝った出来栄えだ。国内外の企業から協賛を受けて財布作りのワークショップを開く。
 映画をPRするため仙台市の映画館を訪れた島津さん。「段ボール愛」が強すぎて、かつての勤め先で変人扱いされた逸話が紹介され、笑いを誘った。
 「どんな物にも物語がある。捨てる前に使い道はないか再度考えて」と呼び掛ける。不用品から付加価値の高い製品を生み出す概念は「アップサイクル」と呼ばれる。仙台での映画上映は終了したが、島津さんは「時の人」として活躍が続きそうだ。
(生活文化部次長 喜田浩一)


2019年01月05日土曜日


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