デスク日誌

着所寝

 大船渡支局発の原稿をチェックしていたら、「着所寝」という言葉が目に留まった。福島県出身だが、寡聞にして知らない。岩手の方言だろうか。
 120年分の過去記事を検索できるデータベースに当たったが、1件もヒットしない。愛用する電子辞書にも広辞苑にもない。
 思案顔でいたところ、仙台出身の同僚が「読みはキドコロネ。うたた寝の意味で祖母が使っていた」と教えてくれた。
 「方言は難しい」。コラムにしようと、あらためて職場にあった広辞苑第五版第一刷(1998年11月発行)を引くと、「(キドコネとも)着物を着たまま仮り寝をすること。うたたね」とあるではないか。
 手持ちの広辞苑は94年9月発行の第四版第四刷。入社翌年に購入した広辞苑に「着所寝」はない。
 「こだづで着所寝してっと風邪ひぐど」などと使うそうだ。江戸時代まで庶民の眠り方は着所寝が一般的で、寝間着の歴史は比較的新しいことも知った。
 読者の便宜を考え、原稿には「きどころね」とルビを振った。職場で着所寝ばかりしていないで、最新版の広辞苑を買いに行こう。
(報道部次長 山崎敦)


2019年01月12日土曜日


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