デスク日誌

ルビ

 新聞で使えない漢字には振り仮名を付ける。東アジア系の外国人や判読困難な固有名詞などにも。ルビとも呼ぶ。1文字ごとに割り付ける「個別ルビ」と単語全体に均等に振る「全体(グループ)ルビ」があり、わが社は個別ルビが原則。
 全体ルビを採用していたり、単語の後ろにかっこ付きの読み仮名を付けたりする通信社の原稿は基本的に手直しする。新しく導入した制作システムには原稿全体にルビを振る不思議?な機能がある。間違ってクリックすると、それまでのルビの振り直し作業が台無しになる。さすがに近く封印されるらしい。
 ルビだらけの原稿は目障りで読みにくいように思えるが、戦前の新聞はほぼ全ての漢字にルビが付いていた。河北新報もそうだった。宮城県七北田村(現仙台市泉区)で少年時代を過ごした祖父が残した自分史にも書いてあった。
 祖父の母は読み書きができなかった。何が書いてあるか聞こうと新聞を読む夫に近づくと、邪険にされたという。ふびんに思った祖父は平仮名を教えた。ルビ付きのおかげで、私の曽祖母は社会の動きに触れることができるようになった。
(整理部次長 大友庸一)


2019年03月20日水曜日


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