デスク日誌

援軍

 大阪の女子大学生Iさん(20)。今春インターンシップ(就業体験)で本社を訪れ、東日本大震災の被災地を取材した。仙台で開催中の通年講座「311『伝える/備える』次世代塾」にも参加し、毎月通って震災の教訓を学んでいる。
 大学では東京電力福島第1原発事故を研究するゼミに所属し、福島の住民の声を聴く活動に取り組む。大阪からの移動費だけでも結構な負担だが、生活費を削って工面しているという。
 もともと東北には縁のない彼女がなぜそこまで熱心に被災地に通うのか。率直に尋ねると、こんな答えが返ってきた。「さまざまなメディアで復興状況を伝えられるけど、それだけで分かったような気になりたくない。私なりに震災のことをじかに学びたいんです」
 ひとくくりに物事を捉えず、きめ細かに実情を学ぶ。自分の目と耳で確かめる。正しい理解はそこから始まるというスタンス。
 今どきの人は何でもスマホで簡単に情報を集めると思ったが、それこそひとくくりの見方。手間と時間をかけて震災の実像に迫ろうとする遠方の若者がいる。被災地の一人として力強い援軍を得た思いだった。
(報道部次長 成田浩二)


2019年09月26日木曜日


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