デスク日誌

5年後へ

 この夏、セーリングを取材し、男女の470級で来年の東京五輪代表内定の現場に立ち会った。五輪への扉を開き、ホッとした表情や本番への高揚感を見せる選手の一方で、印象に残ったのは敗れた者たちだ。
 「これで第一線を退きます」と話すベテランがいた。続ける選手にも、470級ならではの事情が立ちはだかる。かじを取るスキッパーと、帆を動かすクルーの2人で艇を操る同級は、2024年パリ五輪で男女別から男女混合に変わる。
 5年後を、同じペアでは目指せない。同級で異性の相棒を探すか、1人乗り艇など別の級に移るか。
 より体力が必要なクルーは大柄な選手が多く、「男女混合ならスキッパーは女性、クルーが男性という形が自然ではないか」と競技関係者。それでも、ある男性スキッパーは「このまま続けるつもり」と話した。
 選手の所属企業の対応も、当然影響してくる。
 五輪では毎回、競技が入れ替わり、既存競技も階級や種目などの変更がある。それで、競技生活の区切りを迫られる選手がいれば、逆に後押しされる選手も出てくる。そんな一端を垣間見た気がした。
(東京支社スポーツ部長 高橋俊也)


2019年10月09日水曜日


先頭に戻る