デスク日誌

弱った足腰

 プロ野球東北楽天の春季キャンプを取材中の記者に原稿内容の確認の電話を入れると、早口で短い答えが返ってきた。取り込み中のようで慌ただしさが伝わってくる。電話したタイミングの悪さをわびた。
 10年近く前、自分がキャンプを取材していた当時を思い出す。目当ての選手が室内練習場からグラウンドに向かうわずかな時間にコメントを求め、エースピッチャーが急きょ投球練習を始めた、という情報が入ると、ブルペンへとダッシュする。
 同じ時間帯に違う場所で監督が急に取材に応じることもあり、また走る。夜明け前から夕方までへとへとになって取材していた。忙しいさなかに数分おきに本社のデスクから問い合わせの電話が入った時には、「すみません、まとめて一回の電話で済ませてくれませんか」と口をとがらせた。
 立場が変わり、今は「わりいわりい、さっきの件だけど、もっと詳しく教えて…」と電話してうるさがられる側だ。再度、太陽の下で取材に奔走したいという欲が少しあるが、歩道のちょっとした段差につまずき転びそうになる現在の足腰では諦めざるを得ない。
(スポーツ部次長 本多秀行)


2020年02月14日金曜日


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