デスク日誌

キャップの手紙

 「仙台市長、逮捕へ」。朝からテレビが騒がしい。半信半疑で担当する市内の警察署でぼけっと待機していたらポケベルが鳴った。「(仙台)地検に行ってくれ」。キャップから指示された。
 駐車場は既に黒山の人だかり。ノーネクタイ姿の市長が現れた。飛び交う怒号。もみくちゃにされ、車の屋根の縁に頭をぶつけながら車に押し込まれる。「ゴン」。聞こえるはずがないのに、音が聞こえたような気がした。
 校閲部で1年過ごし、外勤になったのは今から27年前の1993年。その年、自分も含めて4人の新人が宮城県警の記者クラブに配属された。
 6月の仙台市長に続き、知事も9月に収賄容疑で逮捕された。捜査は東京地検。ただでさえ厳しい取材環境に置かれた上に「戦力外」が4人。取材の指示や原稿を直す立場になって、先輩方の苦労を改めて思う。
 青森総局に異動後、当時のキャップから手紙が届いた。「何かと大変な日々が続くでしょうが、それは充実した日々でもあります」。新型コロナウイルスに振り回され、気がめいる日々。胸に刻んでおこう。
(青森総局長 大友庸一)


2020年05月06日水曜日


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