デスク日誌

街の風景

 山形市中心部の七日町の一角。華やぎがやや戻ったような気がした。
 9月末までの2カ月半、百貨店「大沼」の感謝閉店セールが行われた。1月に自己破産手続きに入り、営業を突如終えた老舗。閉店セールは商業コンサルタントや旧経営陣による一時的、部分的な「復活」だった。
 「街に人が増え、にぎわってますよね」。セール終盤、売り場の出店関係者は心底うれしそうだった。期間中に数回訪れ、うすら寂しさ、やるせなさを感じた店内も、終盤は別れを惜しむ客で活気があった。
 30年ほど前は向かいに商業施設、近くに映画館や別の百貨店などがあった山形県内一の商業エリア。夏休みに帰省し「この辺をぶらぶら歩けば高校時代の同級生や知り合いに会えそう」と実践した友人の言動が懐かしい。アーケードは消え、街並みはきれいになったが、人通りは減った。
 よくある中心市街地の空洞化だが、それもニーズの反映だ。長らく街の顔だった大沼。取材を進める記者2人によると、閉店に至る背景は複雑だ。土地、建物の競売日程は11〜12月と決まった。街がこの先どうなるのか、とても気になる。
(山形総局長 松田佐世子)


2020年10月18日日曜日


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