河北抄

 夕方、散歩がてら仙台市の広瀬川沿いを歩いた。西公園近くの大橋から評定河原橋付近までの1.5キロほど。この辺りはカジカガエルの生息地という。
 カジカは漢字で「河鹿」と書く。シカのような美しい声をたたえられて名付けられたという。鳴き声は「フィフィフィ」。口笛のような響きが郷愁を誘う。
 声は万葉集の時代から多くの歌人を魅了してきた。近代以降も<河鹿鳴いて石ころ多き小川かな 正岡子規><河鹿鳴き水いそぎつつ平らなり 水原秋桜子>など清涼な歌が詠まれている。
 この日は残念ながらカジカガエルの声を聞くことはできなかった。やはりちょっと歩いただけでは無理かもしれない。しかし野鳥や虫の声に耳を傾けるだけでも楽しかった。
 仙台市によると、カジカガエルが鳴くのは5〜7月の初夏。市はカジカガエルは清流のシンボルだとして生息マップを作り、インターネットで公開中だ。今月末までカジカガエルの情報提供を求めている。皆さんも自然のオーケストラを楽しみに出掛けてみては。


2018年07月12日木曜日


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