河北抄

 漫画に書道にフラダンス…。高校生が部活動で頂点を目指す「甲子園」は意外に多く、野球だけではない。本家より一足早く、北海道東川町で今月末始まる「写真甲子園」もその一つ。
 東北代表として初出場する宮城農高(名取市)の写真部は、東日本大震災で撮影機材を全て失った。全国からデジタルカメラなどを支援してもらい、部活を再開したのは震災の翌年。
 写真甲子園に挑戦し始めたのはさらにその翌年。顧問の山根正博実習助手(40)が部員に勧めたのがきっかけだった。
 先輩から後輩へと思いをつないで6度目の夏。予選を見事突破した8枚組の作品は、地元の溶接工場が題材。額に汗する職人さんのクローズアップや夕日の逆光に浮かぶシルエットは、日々の仕事でたくましく復興に挑む姿を尊敬のまなざしで捉えている。
 「震災の被災地で写真を撮り続けることが何よりの恩返し。支えてくれた人たちへの感謝を忘れないでほしい」。甲子園へと続く長い道のり、山根さんはずっとそう説いてきた。


2018年07月19日木曜日


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