河北抄

 家族のような温かみがあった。仙台市出身のソプラノ歌手、菅英三子さんを長年のファン80人が囲んだ集い。1997年に発足し、菅さんの歌を聴く会を毎年企画してきたファンクラブ(白根昭男会長)が解散を記念し、市内で開いた。
 菅さんはオペラ、歌曲の世界で日本を代表する歌手。仙台では筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の支援演奏会を11年続け、東日本大震災ではファンクラブと共に被災者招待コンサートも開催した。
 解散の理由は、世話人だった菅さんの恩師らが高齢になり、活動も20年の節目となったこと。「彼女の歌を愛する人が最後に集う場をつくりたかった」と代表世話人の手塚文明さん(74)は話す。
 菅さんは「皆さんの大きな力をいただき、一緒に歩んでこられた」と感謝を述べ、マスカーニの『アヴェ・マリア』、武満徹の『小さな空』などを歌った。
 現在、東京芸大教授として後進を育てており、自らの原点というドイツ歌曲にこれから取り組むという。手塚さんは「震災の折も、歌の力と仲間に支えられた。この絆を大切にしたい」と語った。


2018年11月09日金曜日


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