河北抄

 行政が外来語を使う時は何かが隠されていることが多い。斜めから見る悪い癖と自戒しつつ、最近、「コンセッション」という言葉が気になって仕方がない。
 辞書には「譲歩」「容認」の他に石油や鉱物の採掘権の意味もある。コンセッション方式は、国などに森林や鉱山の所有権を残したまま、伐採や採掘の権利を民間企業に売却する仕組みという。
 水道施設の所有権を公的機関に残しつつ、運営権を民間企業に売却できる「コンセッション方式」を促進する改正水道法が成立した。人口減少で苦境に立つ水道事業のてこ入れが目的だが、「命の水」を民間に委ねていいのか不安も残る。
 導入を検討している宮城県の試算では、20年間で335億〜546億円の経費が節減できるという。一方、「利点ばかりを強調している」と慎重な検討を求める声も県内の首長から上がっている。
 外国では民営化後、料金高騰などで再び公営化した例がパリなど35カ国180都市であると聞く。コンセッションのもう一つの意味は「敗北を認めること」。「水物」だけに拙速は避けてほしい。


2018年12月17日月曜日


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