河北抄

 忘年会のピークが過ぎれば、程なく新年会シーズンが待っている。夜の会合に出るたび、思い出すのは職場の先輩の言葉。「食べ残しちゃ駄目だよ」。おしゃべりやグラスを持つ手を止めて、急いで箸を動かした。
 まだ食べられるのに廃棄される食品ロスを減らそうと、さまざまな啓発活動が続けられている。宴会での取り組みでは「3010(さんまるいちまる)運動」がある。
 乾杯後の30分は料理と向き合い、お開きの10分前になったら席に戻って再び味わおうという呼び掛けだ。長野県松本市で始まり、各地に広がった。
 国の推計によると、国内の食品ロスは年間約646万トンにも上る。国民1人当たり毎日茶わん1杯分のご飯を捨てている計算になる。外食産業で出るロスの量は全体の5分の1で、多くは飲食店での食べ残しという。
 宴会でのロス対策は身近な所から環境への影響を考える契機になり、食べきれるメニューを作る店側の工夫も促せる。宴をより楽しむため、幹事や宴会部長の腕の見せどころになるかもしれない。


2018年12月26日水曜日


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