河北抄

 先日に続いて家庭菜園の話。冬の夕食の鍋に使おうと、昨年秋、初めて白菜の苗を買って10本ほど植えた。しかし、植えた翌日から、猛烈な残暑が続き、あれよあれよという間に、しおれて枯れた。
 残りも鳥についばまれたり、虫に食われたり。生き残った一つはだらしなく葉を広げただけ。ところが、春。そこからつぼみのような新芽が青々と幾つも。
 ゆでて食べると、これがクセがなくて本当にうまい。いわば白菜の菜の花なのだが、青果店でもこれまで見た記憶がない。失敗しても、想定外の花茎ができるのを知って、ちょっと得をした。
 と、思っていたら、先月末の日本農業新聞にこんな記事。「フクタチは白菜を結球させずに育てたもので、秋田県南では春を告げる野菜として親しまれ、甘みやうまみの強さが特徴です」
 フクタチ? 秋田県南ではそう呼んでいたのか。秋田のプロ農家の結球させない技、何かがダメで単に結球しなかっただけの筆者。栽培レベルには差があっても味の良さはいい勝負(たぶん)。春の白菜、なんだかいとおしい。


2019年04月10日水曜日


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