河北抄

 川面に白いボートが浮かぶ。「向こうまでこいでみよう」「風が気持ちいい」。子どもたちの歓声が久々に響いた。仙台市若林区の宮沢橋のたもとで先週、広瀬川の魅力を見つける催しがあり、市民は貸しボートの楽しさを味わった。
 広瀬川のボートの歴史は古い。1960年代には数カ所で営まれていたが、経営者の高齢化などで90年に全て姿を消した。「ボートの灯を再び」との声に応え、宮沢橋に近い河原町の会社経営者らがNPO法人「広瀬川ボートくらぶ」を設立し、20年ぶりに復活させた。
 猛暑、大雨による増水、利用者の伸び悩みと、ここ数年、向かい風に見舞われる。通常営業を1年間休んでイベントの時だけ協力することとし、今回、2カ月ぶりに出番となった。
 障害者を支援するNPO法人「あなたの街の三河やさん」(長町)が手伝い、「よいしょ」と重い艇を運んでくれた。「市民に定着している風物詩であり、営業を継続させたい」とボートくらぶの菅井一男理事長。来年、いつも並べてある光景が戻るのを心待ちにしたい。


2019年07月12日金曜日


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