河北抄

 サッカー、ベガルタ仙台がJ2にいたころ、ホームの湘南戦で、湘南の応援席に「お土産は白星と牛タン」の幕が掲げられたことがある。応援合戦に、くすっと笑えるユーモアを添えた。
 仙台市が首都圏や東北、関西などの住民を対象に2015年に行ったネット調査で「仙台と聞いて思い浮かぶもの」を聞いたら、牛タンが突出して多かった。藩祖伊達政宗公の倍もあったという。
 高まる人気を背景に、牛タン店は仙台の外へと打って出ている。東京にも既に数店。出張で岡山市を訪れ、岡山駅で「仙台牛タン」をうたう店を見つけ、驚いたこともあった。
 その割に地元の人は口にしない。しにくいと言った方がいい。03年の米国での牛海綿状脳症(BSE)発生がきっかけで値上がりし、定食が1500円を超える店も。普段の昼食には少々高い。
 それでも、盆休みで帰省した人にとっては牛タンは特別なのだろう。市中心部で入店を待つ列が長くなった気がする。古里の味で英気を養い、職場などへとUターンしてほしい。


2019年08月14日水曜日


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