河北抄

 春告鳥(はるつげどり)といわれるウグイスが鳴き、野山の木々も一斉に芽吹く季節。例年なら新年度の生活へ胸膨らむ時期だが、今年はどうしても重苦しさが抜けない。
 新型コロナウイルスが猛威を振るっている。待ちに待った東京五輪は1年程度延期され、きょう福島県をスタートするはずだった国内聖火リレーも急きょ中止に。想像を超える事態に言葉を失う。
 感染症の流行は、過去何度も繰り返されてきた。仙台藩祖伊達政宗は5歳のころに天然痘にかかった。感染によって膨れ上がった右目を家臣の片倉小十郎に切り取らせた逸話がよく知られている。
 致死率が高く恐れられた天然痘だが、1796年に英国の医師ジェンナーがワクチンの「種痘」を発見。各地で予防接種が行われるようになり、沈静化に向かった。世界保健機関(WHO)は1980年に「根絶」を宣言した。
 医学の進歩は著しい。新型コロナもいずれ…と信じるが、時間はまだかかるだろう。今大切なのは、一人一人が衛生管理を徹底すること。華やかな祭典が幕を開けるその日まで、冷静に、辛抱強く。


2020年03月26日木曜日


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