河北抄

 長い髪にくちばし、体にうろこ、三本足で立つ奇妙な半人半魚の姿。「疫病退散」に御利益があるという妖怪「アマビエ」だ。江戸期に肥後国(熊本)の海に現れ「病がはやったら私の写し絵を人々に見せよ」と告げ海中に消えたという。
 新型コロナウイルスの早期収束を願い、日本三大虚空蔵尊の一つ、登米市津山町の「柳津虚空蔵尊」ではアマビエの木像を本堂に安置開眼し祈とうしている。
 緊急事態宣言は一部解除されたが「家から出たくない」という人のため、ホームページ上の「アマビエ様」を拝み、参拝の証しとして御朱印やお守りを郵送で授ける仕組みを作ったところ、全国からネット申し込みが殺到している。
 「妻が医療従事者なので心配」「両親が高齢で不安がっている」「自分ががんなので、かかって迷惑を掛けたくない」。通信欄には切実な願いが多いという。
 虚空蔵尊の杉田史さん(47)は「目に見えないものへの恐れ、家族の健康を願う気持ちは昔も今も変わらない。世知辛い世の中だからこそ、穏やかな心で過ごしたいものです」と語る。


2020年05月18日月曜日


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