河北春秋

 手元の皿のご飯に、見慣れない細長い米粒があった。先日寄った仙台市近郊の料理店。日ごろ食べる短粒種のコメと混ぜ、味も粘り気も同様だ。調べると、米国産の中粒種らしい▼外国米の輸入管理制度下で、主食米の8割のシェアというのがカリフォルニア州産の中粒種、カルローズ米。日本のコメと同種のジャポニカ米で、戦前の日系移民らが広めた。国産米とブレンドしたご飯を供する大手外食チェーンもある▼「チャーハンやカレー、リゾットにも幅広く使えます」と日本へ売り込むUSAライス連合会。外食、弁当・総菜の店や企業に紹介するセミナーや展示会もにぎわう。背景に業務米の不足がある▼各県が販売を競うブランド米より安く、外食の料理やコンビニの商品に使われるが、最近値上げのニュースが相次ぐ。理由は牛、豚の飼料米作りに転換する農家が増えたため。「国の交付金で主食米に近い収入になり、青米、虫食い米も売れる」と知人の農家▼「コメ開放許すな 千人がコンバインデモ」。大凶作でコメが不足し、初めてタイ米などが緊急輸入された25年前の抗議活動の記事。今こんな騒ぎはないが、東北では飼料米増産の陰で、手間は掛かるが人と環境に優しい有機栽培米の生産も減ったという。農政がどこかいびつではないか。(2018.5.17) 


2018年05月17日木曜日


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