河北春秋

 お酒に果汁や炭酸水などを混ぜた飲み物をカクテルと呼ぶ。定番は3000種とも言われ、組み合わせによって、味や香りに限りはない。バーテンダーの創造力が客の想像をかき立てるから楽しい▼会津の夜の街で話題のカクテルが「戊辰ハイボール」。日本バーテンダー協会会津支部が戊辰戦争150年に合わせて企画し、会津若松、喜多方両市の会員10店舗が創意工夫の一杯を提供する。共通するのは会津藩と戦火を交えた長州藩の日本酒「獺祭(だっさい)」(山口県)を使うこと▼支部長の皆方剛さん(43)は「確かにいろんな意見があります」と言う。参加店の他の材料をみても会津の日本酒、薩摩の芋焼酎、土佐のショウガシロップ…と刺激的だ。「長州の酒は客に出せない」と参加しない店もあり、複雑な感情はいまだ漂う▼それでも「戊辰戦争に触れる機会にしたい」と皆方さん。店は150年前の激戦地「甲賀町口郭門跡」前。グラスの中で素材同士がけんかをしない調合の技に酔い、今と昔に思いをはせた▼企画開始直後、西日本豪雨で獺祭の蔵元が被災した。会津若松市の参加店オーナー金田幸治さん(51)は「会津の企画に快く協力してくれた。何とかしたい」。戊辰ハイボールの売り上げの一部を急きょ義援金にすることに。これも会津の心。(2018.7.23) 


2018年07月23日月曜日


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