河北春秋

 宮城県村田町の旧大沼家住宅店(たな)が先月、国の重要文化財に指定された。江戸時代後期以降、紅花交易などで栄えた商家で、店蔵(たなぐら)や本宅、内蔵(うちぐら)などが残る。表通りには他にも蔵屋敷が並び、歴史を今に伝える▼当時、宮城県南で栽培された紅花は山形から伝わった。山形商人が良質な商品を求め、契約栽培のような手法で産地を形成したという。村田商人によって集荷された紅花は、主に国境の笹谷街道を馬で越えた後、船で最上川を下り、西回りで上方に運ばれた▼時は流れ、往年の笹谷街道の役割を山形自動車道が担い、馬に代わってバスやトラックが人や物を運ぶ。村田町は東北自動車道から山形道に分岐するジャンクションがあるなど、今も仙山圏交流の要所になっている▼その村田町で9日、宮城、山形のグリーン・ツーリズム推進協議会が初の「交流市」を開く。本年度から始まった両協議会の交流事業の第1弾で、道の駅村田を会場に、両県の特産品を販売する。今後、山形でのイベント開催や農山漁村のPRに共同で取り組む考えだ▼道の駅にほど近い旧大沼家住宅店は現在、屋号にちなんで「村田商人やましょう記念館」として一般公開されている。交流市と記念館。一緒に訪れれば、仙山圏交流の今昔に触れる時間旅行を楽しめそうだ。(2018.9.8) 

 


2018年09月08日土曜日


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