河北春秋

 「師走」の語源は諸説ある。師匠の僧が忙しく走り回る月だからとの説や、1年の最後の月を意味する「為果(しは)つ月」が転じたとする説がある。俳人の故金子兜太さんは「前者がいかにも年の暮れらしい」と述べた▼人を教え導く「師」の方々。今年はどんな年だったろうか。教師の皆さんは走り回った様子。政府の白書によると、教師の勤務時間は1日平均11時間17分に上る。スポーツでは、フィギュアスケートの羽生結弦選手、米大リーグの大谷翔平選手ら勝負師が輝いた▼「仕事師内閣」から「全員野球内閣」に改称した安倍内閣は失策続き。桜田義孝五輪担当相はサイバーセキュリティーを担当するのに「自分でパソコンを打つことはない」。漫才師の冗談かと思った▼それでも、政府、与党の方々は策略の巧みな軍師ぶりを発揮する。海上自衛隊の護衛艦「いずも」を戦闘機搭載が可能な空母に改修する計画もその一つ。「空母」の呼称を避け、「多用途運用護衛艦」と位置付けるという▼政府が憲法9条の下で許されないとしてきた「攻撃型空母」に当たるとの批判をかわすためか。防衛目的を強調するが、運用次第で他国の攻撃に転用できる。とても自衛のための必要最小限の装備には思えない。ん? これっていかさま師のような手口かも。(2018.12.15)


2018年12月15日土曜日


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