河北春秋

 「明晩のご来店はお間違いないでしょうか」。忘年会の席を予約した仙台の居酒屋から電話をもらった。従業員の手間は増えると思うが、こんな予約確認が最近よくある。店の気配りだけでなく、無断キャンセルへの防衛策だとも聞いた▼推計で年間2千億円。経済産業省と飲食店関係者らの勉強会が公表した、客の無断キャンセルで生じた業界の損害額という。直前の「ドタキャン」も加えれば、1兆円を超えるとの見方もある▼予約の取り消しをうっかり忘れた覚えのある人もいよう。東京では以前、大学生らが50人のコンパの予約を踏み倒し、連絡さえ怠るトラブルも報じられた。店がネットで被害を訴え、学生側も謝罪。全国で声を上げる店が増えた▼ホテルなどの予約にはキャンセル料の規定がある。飲食店も取り入れては、と勉強会は提言した。応援するIT企業などもあり、客に連絡メールを出したり、合同予約サイトを設けたり、無断キャンセルされた予約席の新たな客をネットで募ったり、新しい試みを始めた▼民法上は、コース料理の無断キャンセルなら予算の全額、席のみなら客の平均単価の5割以上の請求をされても仕方がないそうだ。忘年会の楽しさは店々のサービスあってこそ。客の信用も問われていることをお忘れなく。(2018.12.18) 


2018年12月18日火曜日


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