河北春秋

 その墓碑は日本海を望む鶴岡市堅苔沢(かたのりざわ)の丘の中腹にある。1833年に庄内沖で発生した大津波の犠牲者を供養するために先人が立て、海抜12.7メートルの位置は津波到達点を示す。地元住民は東日本大震災後、長年の風雨で朽ちかけた墓碑の隣に石碑を新設。教訓を語り継ぐ誓いの言葉を刻んだ▼日本海の津波に備えて山形県は2016年、新たな浸水予測を公表した。年度内に東北で初めて津波災害警戒区域を指定し、避難態勢の強化を目指す▼地域防災の担い手を増やそうと、県は民間資格「防災士」の養成にも力を入れる。ここ4年で町内会のリーダー、自治体職員を中心に約400人が資格を取得。県防災士会庄内ブロックは、浸水予測の理解を深める勉強会などの活動を始めている▼防災士のルーツは1995年の阪神大震災。あの時、倒壊家屋などの下敷きになった人の約8割を家族や隣人が救出した。防災士制度はこの共助の教訓を生かす目的で2003年に誕生。各地で多発する自然災害を背景に取得者は年々増加し、東北で1万3000人、全国で16万人を超える▼誰もが平穏な一年を願った新年早々、熊本が震度6弱の地震に襲われた。17日で阪神大震災から24年。家族や地域、職場を守るため、あらためて共助を考える機会に。(2019.1.17) 


2019年01月17日木曜日


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