河北春秋

 全国で大半が運転停止中の原子力発電所を巡り、「再稼働をどんどんやるべきだ」と先日、会見で訴えたのが中西宏明経団連会長。「再生可能エネルギーで人類が必要とするエネルギーが賄えるとは思わない」との理由だった。本当にそうなのだろうか▼「根拠のない話はもう通用しない」と語るのは南相馬市の農家奥村健カさん(62)。福島第1原発事故の教訓から「原発に依存しないエネルギーづくりを地元でやろう」と太陽光発電と農業が共生する方法を、市民有志でつくった社団法人で模索した▼ソーラーパネル群で農地をつぶさず、施設の下も日光を受けて作物栽培ができる畑にする。そんなミニ発電所を8カ所設け、カボチャや大豆、ブドウを作る▼南相馬市も7年前、「原発に依存しない再生可能エネルギー推進」を掲げ、海岸部に太陽光発電施設を誘致。これまで3カ所が稼働し、「発電量が本年度、企業や一般家庭を含む市全体の消費電力の約50%に相当する」と本紙。自給率は11年後に100%の見込みという▼脱原発の試みは被災地で結果を出しつつある。東北電力も、風力など再生可能エネルギー開発に本腰を入れると報じられた。中西会長は本業で原発事業に携わった。海外で日本の原発建設話も相次ぎ頓挫する中、焦りが募るのか。(2019.2.1)


2019年02月01日金曜日


先頭に戻る