河北春秋

 サッカーのオウンゴールは「自殺点」と呼ばれていた。改められたのは1994年のワールドカップ米国大会後。コロンビアのDFエスコバル選手が自国で射殺された事件が契機だった▼エスコバル選手は自身のオウンゴールでチームが敗退したと非難された。犯人はサッカー賭博で損した組織の一員とか。同選手がそうだったようにオウンゴールは懸命にプレーした結果で、仕方がないケースが大半。オウンゴールをして下を向く選手を見るたびに同情する▼こちらは全く同情の余地がない話。安倍政権にとってはオウンゴールと同じく、味方のミスによる失点だろう。更迭された桜田義孝前五輪相のことである。「東日本大震災の復興より同僚議員が大事」と全ての被災者を傷つける失言をした▼「被災地の道路が健全に動いたから良かった」「いしまきし」…。どうしてこうも発言が軽いのか。本人の言葉を借りれば、本当にがっかりさせられた。そんな同氏を適材適所として閣僚にしたのは首相である▼首相は「任命責任は首相たる私にある」と語るが、過去に何度も同じコメントを聞いたせいか、発言に重みが感じられない。考えてみれば、首相を間接的に選んだのは国民である。国民も「任命責任」について熟慮した方がいいのかもしれない。(2019.4.12) 


2019年04月12日金曜日


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