河北春秋

 空腹の肉食恐竜ティラノサウルスが赤ちゃん恐竜を見つけて食べようとする。だが、赤ちゃんはティラノサウルスを父親と勘違いし、奇妙な関係に…。切なく、心温まる物語。絵本作家宮西達也さんの人気作『おまえうまそうだな』である▼絵本や映画でおなじみのティラノサウルス。恐竜と言えば、多くの人があの凶暴そうな姿を思い浮かべるだろう。サイエンスライター土屋健さんの『ティラノサウルスはすごい』によると、嗅覚に優れ、かむ力はワニの9倍近くあったとか。頑丈な歯で獲物を骨ごとかみ砕いたとみられる▼久慈市でティラノサウルス類の歯の化石が見つかった。上顎の前歯で長さは9ミリ。まるで鋭利な刃物のように見える。体長は約3メートルという。白亜紀後期の化石の発見は世界的に少なく、新種の可能性がある▼ティラノサウルスはアジアで誕生し、アメリカ大陸で体長12メートルほどに大型化したとの説がある。今回の発見は進化の過程を知る貴重な資料になる。東北の地でティラノサウルスがどんな生活をしていたのか。想像するだけで楽しい▼発見したのは宮古高の男子生徒だった。遠足で採掘体験をした際に発掘した。「次は自分も」と思った恐竜ファンもいるのでは。太古の世界への扉は意外と身近な所にあるのかもしれない。(2019.4.26)


2019年04月26日金曜日


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